政府はこのところの円安傾向を受けて、歴史的な円高への対策として、おととし設けた企業への融資制度を見直し、企業の海外展開を支援するため、海外企業の買収に加えて工場の建設などにも利用できる新しい制度に改めることを決めました。

８日の東京株式市場は、アメリカの景気回復への期待感や外国為替市場で円安が進んでいることから、輸出関連を中心に多くの銘柄に買い注文が入り、日経平均株価は２５０円以上値上がりし、取り引き時間中のことしの最高値を更新しています。

財務省によりますと、ことし１月の日本の経常収支は３６４８億円の赤字と、統計を比較できる昭和６０年以降で初めて３か月連続の赤字となりました。

７日のニューヨーク株式市場は、アメリカの景気回復への期待感から買い注文が出て、ダウ平均株価は３日連続で史上最高値を更新しました。

政府は、外国為替市場でここ数か月、円安傾向が続いたことから、おととし、緊急の円高対策として設けた日本企業に対する融資制度を今月末で終了し、日本企業の海外進出を支援する新たな貸し出しの仕組みを、来月、設けることになりました。

７日のニューヨーク外国為替市場は、アメリカの景気回復への期待感からドルを買って円を売る動きが強まり、円相場は、およそ３年７か月ぶりに一時、１ドル＝９５円台まで値下がりしました。

今月退任する日銀の白川総裁は、金融政策決定会合のあとの記者会見で、日銀の金融緩和が厳しい財政の肩代わりをしていると受け取られないよう、財政再建に向けた取り組みが必要だという認識を改めて示しました。

長期にわたる株価の低迷で厳しい経営が続いていた中小の証券会社の業績は、最近の株高で、一気に上向いています。このうち、昭和２３年に創業した東京・日本橋にある「ヤマゲン証券」は、個人の得意客に電話をかけて有望な業界を紹介するなど、昔ながらの営業スタイルを続けています。リーマンショックのあとは、株価の低迷で、収益の柱となる株式売買の手数料収入が大きく落ち込みました。この会社ではリストラを余儀なくされ、社員の数はピークに比べておよそ半分の３９人まで減っています。しかし、去年１１月以降は経営状況が一変し、客からの問い合わせの電話がひっきりなしに入るようになりました。株式の売買注文も大幅に増え、先月までの４か月間の手数料収入は、前の年の同じ時期に比べて２．５倍以上に増えたと言うことです。ヤマゲン証券の藤原和則社長は「中小の証券会社は極めて厳しい経営が続いていたので、これほどの活況は全く想定していなかった。今後も株高が続けば、私たちにとってまさに恵みの雨になると思います」と話していました。

津波などの災害対策用に開発された救命艇など、最新型のボートを集めた国内最大級の展示会が横浜市で始まりました。

日銀は、今月退任する白川総裁のもとで最後となる金融政策決定会合を開き、国内の景気判断について「下げ止まっている」と上向きに修正したうえで、これまでの金融緩和の効果を見極めたいとして金融政策を現状のまま維持することを決めました。