アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は１０日、ニューヨーク市場で株価が史上最高値の水準で推移するなど取り引きが活発にななかで、投資家が過度なリスクを取っていないか、市場の動きを注視する考えを示しました。

経済成長が続くフィリピンで、コンビニエンスストアの「ファミリーマート」が１号店を開店しました。先行して進出しているコンビニ各社も出店のペースを加速させていて、拡大する中間層の消費を取り込もうという競争が激しさを増しています。

鉄鋼最大手の「新日鉄住金」のことし３月期の決算は、アジアで鉄鋼製品の販売価格が低迷した影響で、期間中のもうけを示す経常利益が前の年度の半分以下になる大幅な減益となりました。

来週の焦点です。ことし１月から３月までの日本のＧＤＰ＝国内総生産の伸び率が１６日に発表されます。去年１２月に発足した安倍内閣の経済政策、いわゆる「アベノミクス」の効果が個人消費や企業の設備投資にどのくらい反映されているのか注目されます。また、アメリカでも景気を見るうえで重要な統計の発表が相次ぎます。

日本商工会議所の岡村会頭は、記者団に対し、円相場が１ドル＝１００円を超える円安水準になっていることについて、「これだけ円安になれば当然のことながら輸出産業には強い追い風になるし、加えて消費や企業の投資へのマインドも改善しており、全体としてはいい方向に向かっている」と述べました。その一方で「さすがに１００円を超すと燃料高や原材料高が進み経営が圧迫される中小企業も増えてくる。すべての中小企業が影響を受けるわけではないが、８割り方はかなり厳しい対応を迫られることになるのではないか」と述べ、円安による燃料価格や原材料価格の上昇が中小企業の経営に与える影響に懸念を示しました。

「日産自動車」は、円安で海外事業の収益が今後押し上げられるとして、来年３月期決算では、営業利益が前の年度の実績より１６％増えて、２年ぶりの増益となるという見通しを明らかにしました。

１０日のロンドン外国為替市場は、１ドル＝１００円という大きな節目を超えて円安ドル高が進んだ流れを受けて、円が売られやすい状況が続き、円相場は１ドル＝１０１円台前半を中心に取り引きされています。

円安が進んでいることについて海外からの輸入コストの増加に対する不安の声が上がっています。

今期（来年３月期）の決算の見通しについて、業種ごとに天気予報に例えると、どのようになるのか。上場企業の決算を分析している大手証券会社「ＳＭＢＣ日興証券」の太田佳代子アナリストに聞きました。太田さんが最も注目する業種として挙げたのは「電機」です。

東京証券取引所に株式を上場している企業のことし３月期の決算は、円安を背景に経常利益が前の年に比べて全体で１４％の増益となり、来年３月期は業績がさらに改善する見通しとなっていることが、大手証券会社のまとめで分かりました。