日本自動車工業会の豊田章男会長は、１３日の会見で、円安の影響などで自動車メーカーは業績が改善しているものの、現時点では国内での設備投資を決断するのは難しいのではないかという認識を示しました。

週明けの１３日の東京外国為替市場は、先週末のＧ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議で日本の経済政策が容認されたという見方から、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場は値下がりしています。

週明けの１３日の東京外国為替市場で、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場がおよそ４年７か月ぶりに１ドル＝１０２円台に値下がりしました。これについて甘利経済再生担当大臣は、東京都内で記者団に対し、「１ドル１００円の壁が今まで円安を抑えていたと思うが、アメリカ経済の好転で、そのラインを超えてしまったということなので、しっかり動向を注視したい。為替水準は私が言及すべきものではないが、過度の円高も過度の円安も経済にはマイナスだ。円安のプラス効果とマイナス効果をしっかり検証しながら、マイナス効果を克服していくように政策を取っていきたい」と述べました。

週明けのシドニー外国為替市場は、先週末にイギリスで開かれたＧ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議で、円安の流れが改めて容認されたという見方から、ドルに対して円が売られやすい状況が続き、円相場は１ドル＝１０１円台後半で取り引きされています。

ことし１月から３月までのＧＤＰ＝国内総生産の伸び率について、民間の調査会社などは、株高や円安を背景に個人消費が伸びたことなどから２期連続のプラス成長になると予測しています。

Ｇ７＝先進７か国の財務相・中央銀行総裁会議は日本時間の１１日夜終了し、世界経済の成長に向け、財政再建と景気刺激のための財政出動の両立について意見を交わすとともに、「為替レートを政策の目標にはしない」として、通貨を安く誘導するような政策をとらないことを改めて確認しました。

国内の主な自動車メーカー７社の今年度の営業利益は、円安の効果だけで合わせて１兆円余り増加する見通しになりました。

１０日のニューヨーク株式市場は、アメリカの本格的な景気回復への期待から買い注文が出て、ダウ平均株価は終値での最高値を更新しました。

政府は、来月に横浜市で開くＴＩＣＡＤ＝アフリカ開発会議に合わせて、急速な成長を続けるガーナや交通の要衝であるケニアなどと投資協定の締結に向けた交渉開始で合意する方向で調整しており、日本企業のアフリカ進出を促すことで、日本の経済成長につなげたい考えです。

アメリカの中央銀行に当たるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は１０日、ニューヨーク市場で株価が史上最高値の水準で推移するなど取り引きが活発にななかで、投資家が過度なリスクを取っていないか、市場の動きを注視する考えを示しました。