２３日の東京株式市場は、外国為替市場で円相場が値下がりしていることから輸出関連の銘柄を中心に買い注文が増え、株価は大きく値上がりしています。市場関係者は、「円相場が値下がりしていることで輸出企業の業績が改善するという見方から買い注文が大幅に増えている。一方で、長期金利の上昇を懸念して不動産関連の銘柄では売り注文も出るなど業種によっては値下がりする銘柄も目立っている」と話しています。

２３日の東京債券市場は、アメリカの長期金利が上昇したことを受けて日本国債を売る動きが一段と強まり、長期金利は、一時、およそ１年２か月ぶりに１％まで上昇しました。

２２日のニューヨーク株式市場は、アメリカが当面は金融緩和を続けるとの見方が広がったことを受けて、一時１００ドル以上値上がりしたものの、その後は利益を確定するための売り注文が相次ぎ、ダウ平均株価は値下がりして取り引きを終えました。

アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会のバーナンキ議長が議会で証言し、市場に大規模な資金を供給する量的緩和について、当面続ける姿勢を強調する一方、雇用情勢がはっきりと改善すれば、年内に縮小することもあるという認識を示しました。

大手電機メーカーの「ソニー」は、スマートフォンの販売拡大などで今年度、主力のエレクトロニクス事業の３年ぶりの黒字化を目指す方針を改めて示しました。

長期金利が上昇傾向にあるなか、日銀の金融政策決定会合の結果にどのような反応を示すか注目された２２日の東京債券市場は、いったん国債を売る動きが出て、長期金利は、一時０．９％ちょうどまで上昇しましたが、その後、金利はいくぶん低下し、大きな変動はありませんでした。

２２日の東京外国為替市場は、日銀の金融政策決定会合が終了したあとに、ドルを買って円を売る動きが出て、円相場はいくぶん値下がりしました。午後５時時点の円相場は、２１日に比べて６銭円安ドル高の、１ドル＝１０２円７８銭〜８０銭でした。また、円はユーロに対しては一時、３年４か月ぶりに１ユーロ＝１３３円台まで値下がりし、午後５時時点の円相場は、ユーロに対して２１日に比べて６７銭円安ユーロ高の、１ユーロ＝１３２円９４銭〜９８銭でした。ユーロはドルに対しては、１ユーロ＝１．２９３４〜３６ドルでした。

日銀の黒田総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、このところ長期金利が上昇していることについて、「あしもと少し長期金利は上がっており、それを反映して住宅ローン金利に影響が出てくることはあるが、今の時点で実体経済に大きな影響を及ぼすものとはみていない」と述べました。そのうえで黒田総裁は「今後も債券市場の動きを十分点検し、市場参加者と密接な意見交換を行いながら必要に応じて国債買い入れの頻度、ペース、買い入れ対象を調整するなどして、政策効果の浸透を促すため、弾力的な市場調節を行っていく」と述べました。

２２日の東京株式市場は、２１日に続いて活発な取り引きとなる中で、日経平均株価は午後に入って一段と値上がりし、終値としてことしの最高値を更新しました。

「日本郵政」は２２日、取締役会を開き、坂篤郎社長の後任に東芝元会長の西室泰三氏を起用するなど、これまでの経営陣を全面的に刷新する人事を内定しました。