日銀の黒田総裁は東京都内で講演し、このところ上昇傾向にある長期金利について、経済にプラスの側面があるものの、経済状況が改善せずに財政懸念が強まる場合には金融機関に悪い影響が及ぶとして、政府による財政再建が重要だという考えを示しました。

日本の自動車メーカー各社は、好調な販売が続くアメリカで生産能力を増やす計画を相次いで発表し、円安傾向が続くなかでも、海外生産を強化する動きが一段と進んでいます。

経済産業省などは、成長分野に位置づけているｉＰＳ細胞など再生医療の分野に企業を参入しやすくするため、関連する医療機器の安全基準作りなどについて、メーカーなどを加える形で検討を進めていくことになりました。

政府の経済財政諮問会議は、経済の再生を実現するためには財政再建が欠かせないとして、中長期の経済財政運営の指針となる「骨太の方針」に国と地方の債務残高を８年後の２０２１年度以降は引き下げていくとする財政健全化目標を明記する方向で調整に入りました。

生命保険会社８社のことし３月期の決算は、円安によって外貨建てで運用する外国債券の利子が円に換算して増えたことなどから、本業のもうけは８社のうち７社が増益となりました。

２３、２４日の連日、乱高下となった東京株式市場、週明けに値動きが落ち着くのか、依然として不安定な状態が続くのか、長期金利や為替の動向とともに注目されます。金融緩和の先行きに関心が集まるアメリカでは、３０日に１−３月期のＧＤＰの改定値が発表されます。（主な予定）。▽２８日（火）地域経済動向。▽２９日（水）黒田日銀総裁講演（日銀主催国際コンファレンス「金融危機と国際金融システム」）。▽３０日（木）米１−３月期ＧＤＰ改定値。▽３１日（金）消費者物価指数、完全失業率、鉱工業生産指数（いずれも４月）。

２４日の東京外国為替市場は、株式市場が不安定ななか、海外の投資家がいったん利益を確定させようと値上がりしていたドルを売る動きがでたため、円相場は値上がりしました。

生命保険会社の一部では、日本国債の利回りが上昇傾向にあることから、運用方針の見直しを検討する動きも出てきています。

株価が乱高下するなか、大阪では証券会社の投資セミナーが開かれ、参加した個人投資家からは株価の荒い値動きを警戒する声が聞かれました。

２３日に記録的な株価急落となった東京株式市場は、２４日は、日経平均株価が１２０円余り値上がりしました。ただ、午前中に一時、５００円以上値上がりした一方、午後に入ると一転して一時、５００円以上値下がりし、２３日に続いて１日の値動きの幅が１０００円を超える荒い展開となりました。