３１日の東京株式市場は、このところ大幅に下落した銘柄を買い戻す動きが出てほぼ全面高の展開となり、株価は値上がりしています。市場関係者は「日経平均株価はこの１週間余りで２０００円以上下落したが、今後も円安・株高の傾向が続くという見方も根強く、取引開始直後から輸出関連などこのところ大きく下落していた銘柄を買い戻す動きが広がっている」と話しています。

企業の生産活動を示す先月の鉱工業生産指数は平成１７年を１００とした指数で９１．９と、前の月に比べて１．７％のプラスとなり５か月連続で前の月を上回りました。

３０日のニューヨーク株式市場は、世界的に大きく変動している株価の動向を見極めたいとして、ダウ平均株価の終値は小幅な上昇にとどまりました。

フランスを訪問中の林農林水産大臣は、オーストラリアのエマーソン貿易担当相と会談し、両国の間のＥＰＡ＝経済連携協定を巡って意見を交わしましたが、焦点となっている牛肉の関税引き下げなどについて意見の隔たりが埋まらず、さらに調整を続けることになりました。

日経平均株価が１１００円以上急落した先週、東京株式市場では、海外の投資家が株式を売った金額が過去最高となり、３週ぶりに売った金額が買った金額を上回るいわゆる「売り越し」に転じていたことが分かりました。

ウナギの稚魚、シラスウナギについて、水産庁は、ことし養殖業者が確保した量は価格が高騰した去年よりさらに２５％減少しているとして、ウナギの価格は当面、高い状態が続くという見通しを示しました。

３０日の東京株式市場で、日経平均株価が終値で７００円以上急落して、ことし２番目の下げ幅となったことについて、菅官房長官は午後の記者会見で、「コメントすることは、市場に無用の混乱を生じさせかねないので、コメントは差し控えたい。わが国の景気は着実に持ち直しており、冷静な対応が極めて重要だ。今後の金融市場の動向に注視しながら、引き続き『三本の矢』に一体的に取り組むことで、早期のデフレ脱却と民需主導の経済成長を目指していきたい」と述べました。そして、記者団が「『景気は着実に持ち直している』と言うが、株価が下がっているのは、市場が『景気は回復しない』と見ている証左ではないのか」と質問したのに対しては、「全く当たらない。株価は調整しながら上昇していくのが普通だが、今回は上昇のスピードがあまりにもあり過ぎたのではないか。私は調整がない方がおかしかったと思っている」と述べました。

自動車メーカー８社が、先月、国内で生産した車の台数は、円安傾向の中でも海外での生産を増やす動きが相次いでいることから、前の年の同じ月を６％下回り、８か月連続で減少しました。

中国の食肉大手「双匯（そうかい）国際」がアメリカ最大手の豚肉生産会社「スミスフィールド・フーズ」を買収することで合意しました。買収額は日本円でおよそ４７００億円で、実現すれば中国企業によるアメリカ企業の買収としては過去最大規模になります。

３０日の東京株式市場は、先週の株価急落の動揺が収まらないなか、午後に入ってリスクを避けようという売り注文が一段と増えて全面安の展開になり、日経平均株価は終値で７００円以上急落して、ことし２番目の下げ幅となりました。