日本経済や金融政策を２０年余りにわたって見続け、知日派のエコノミストとして知られる、ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は、日本が法律どおり来年４月から消費税率を８％に引き上げることを決定したことについて、「完全に正しい判断だ」と評価しました。

政府機関の一部が閉鎖されたことがアメリカ経済に及ぼす影響について、アメリカの大手金融機関のエコノミストは、１週間の閉鎖で経済成長率を０．１５％分押し下げると試算していることを明らかにしました。

１日のニューヨーク株式市場は、アメリカで当面の行政活動に必要な予算案が成立せず、政府機関の一部が閉鎖されたことは、予想の範囲内で、市場に与える影響は限定的だという見方から、ダウ平均株価は小幅な上昇となりました。

日銀が１日発表した短観＝企業短期経済観測調査では、景気の回復傾向を背景に、従業員が足りないという企業が増えて、人手不足を感じている企業の割合を示す指数は５年３か月ぶりの高い水準となりました。

中国では、先月の製造業の景気判断を示す指数が３か月続けて上昇し、減速していた中国経済が持ち直しているという見方も出ています。

日本郵政グループの「ゆうちょ銀行」で、先月３０日からインターネット上で残高を確かめたりする「ゆうちょダイレクト」というサービスに接続しづらくなるトラブルが起きていましたが、１日午後８時ごろまでにほぼ復旧しました。

消費税率を来年４月から８％に引き上げることが決まったことについて、麻生副総理兼財務大臣は閣議のあとの記者会見で、「社会保障制度を持続可能なものとして、子や孫の世代に引き継いでいくため、財政健全化の道筋を示し、財政の信認を維持していくという点で大変、意義深いものだ」と述べました。そのうえで、税率の引き上げに備えた経済対策として、５兆円規模の今年度の補正予算案を編成することに関連して、「経済対策を通じてデフレ脱却と日本経済の再生に万全を期したい。ただ、増税で国民に負担をお願いすることになるのだから、むだな支出をしたり予算の優先順位を誤ったりすることがないよう、より一層、緊張感を持って予算編成を行いたい」と述べました。

消費税率の引き上げに向けて、首都圏の鉄道会社の一部でＩＣカード乗車券を対象に１円単位の運賃改定を検討する動きが出ていることに関連して、太田国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で、導入を認めるかどうか検討を始める考えを示しました。

ことし８月、関西空港を発着する国際線を利用した外国人旅行客は、７か月連続で月ごとの外国人旅行客の数が過去最多を更新しました。空港を運営する新関西空港会社は、便数をさらに増やすなど、事業価値を高めて、１兆円を超える巨額の債務の返済を進めることにしています。

経団連の米倉会長は記者団に対して「安倍総理の決断を高く評価する。家計の負担軽減策や投資減税など、５兆円の規模の経済対策を打ち出したことで消費増税のネガティブな面を下支えすることになるだろう。政府は今後、大胆な規制緩和を進めて経済を刺激するとともに、国民が安心できる社会保障制度を確立してほしい」と述べました。