鉄鋼大手のJFEホールディングスは、今年度1年間の最終的な利益が750億円と、昨年度より18％減少する見通しだと明らかにしました。アメリカのトランプ政権の関税政策の影響で自動車向けの鉄鋼製品の需要が減ることや海外の市況悪化の長期化などを主な要因として見込んでいます。

輸入食品などを販売する「カルディコーヒーファーム」の運営会社は、店舗で取り扱っていた生ハムの一部からサルモネラ属菌が検出されたと発表し、およそ7万個の商品を自主回収することにしています。

トヨタ自動車が発表した昨年度1年間のグループ全体の決算は、売り上げにあたる営業収益が前の年度から6.5％増えて48兆367億円と過去最高を更新しました。一方、先進技術や職場環境の改善への投資が増えたことなどから本業のもうけを示す営業利益は10.4％減って4兆7955億円、最終的な利益は3.6％減って4兆7650億円といずれも2年ぶりに減少しました。また、今年度1年間の業績見通しでは、営業収益が昨年度より1％増えて48兆5000億円を見込む一方、営業利益が20.8％減って3兆8000億円、最終的な利益が34.9％減って3兆1000億円と、いずれも大幅な減益を見込んでいます。会社はアメリカの関税政策の影響を先月から今月までの2か月分、暫定的に織り込み、営業利益で1800億円の押し下げ要因になるとしています。

8日の東京株式市場、売り買いが交錯する展開となり、日経平均株価は、小幅な値動きになっています。

アメリカの大手自動車メーカーの「フォード」は、メキシコで生産されたアメリカ向けの車種などを対象に価格を引き上げる方針であることが分かりました。トランプ政権による関税措置の影響を受けた形で、今後、ほかの大手自動車メーカーの対応が注目されます。

ドイツの自動車大手BMWは、アメリカのトランプ政権の関税措置について、一部は今後引き下げられるという見方を示し、決算の発表でことしの業績の見通しを据え置きました。ヨーロッパでは、関税の影響が不透明だとして、業績の見通しを公表しないメーカーも出ていて、企業の間で見方が分かれる形となっています。

ニューヨーク株式市場では、FRB＝連邦準備制度理事会のパウエル議長が記者会見で景気の不確実性に言及したことで、売り注文が出る場面もありましたが、アメリカと中国の貿易をめぐる協議が決まり、米中対立への懸念がいくぶんやわらいだことで、買い注文が増えて、ダウ平均株価は280ドル余りの値上がりとなりました。

アメリカの関税措置をめぐる日米交渉について、経団連の十倉会長は7日の記者会見で自動車への関税の見直しなども含めて、粘り強く、交渉することが重要だという考えを強調しました。

電子部品大手の「ニデック」は、工作機械メーカー「牧野フライス製作所」に対するいわゆる「同意なき買収」をめぐり、相手が導入した対抗措置の差し止めを求める仮処分の申し立てが裁判所に却下されたと発表しました。

7日の東京外国為替市場、アメリカのトランプ政権による関税措置の先行きが不透明だとしてドルを売って円を買う動きが出て、円相場は先週末と比べて値上がりしました。