17日のヨーロッパの株式市場は、これまで値を下げた銘柄に買い戻しの動きが出て、主な市場の株価指数は値上がりして取り引きを終えました。

アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への影響が広がる中、企業の資金繰りを支援するための緊急の資金供給を行うと発表しました。具体的には、企業が短期の資金を調達するために発行するコマーシャルペーパーと呼ばれる社債を買い入れるということです。

日本時間の17日夕方、取り引きが始まった17日のヨーロッパの株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策として各国に広がる人の移動を制限する措置による影響への懸念から、株価は多くの市場で値下がりしています。

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に深刻な影響を与えることへの懸念が高まる中、麻生副総理兼財務大臣は日本時間の今夜、アメリカのムニューシン財務長官と電話会談を行いました。会談のあと麻生大臣は、新型コロナウイルスの感染拡大が金融市場に与える影響を注意深く監視し、世界経済を下方リスクから守るためにすべての適切な政策手段を使うことを再確認したうえで、今後、日米の２国間やＧ７・主要７か国の間で協調を進めていくことで一致したことを明らかにしました。

17日のアジアの株式市場は、中国の上海市場で株価が乱高下するなど、多くの市場で売り買いが交錯し荒い値動きとなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今月１日から14日までに山陽新幹線を利用した人は去年の同じ時期に比べて、54％減少しました。ＪＲ西日本は出張の減少や旅行の取りやめなど、外出や移動を控える動きが広がっているためだとしています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、全日空は、需要回復の見通しが立たないとして、来月下旬まで、国際線の運休や減便を続けることを決めました。

17日の東京外国為替市場は売り買いが交錯し荒い値動きになりました。

フィリピンの証券取引所は、従業員やトレーダーに新型コロナウイルスの感染が広がるのを防ぐためとして、17日から期限を定めずに、株式などすべての取り引きを停止する異例の措置に踏み切りました。

ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることから、旅行各社ではヨーロッパを訪れるツアーを中止する動きが相次いでいます。