日本製鉄によるUSスチールの買収計画についてアメリカのトランプ大統領は23日、自身のSNSに「USスチールと日本製鉄の間で計画された提携であり、少なくとも7万人の雇用を創出しアメリカ経済に140億ドルの経済効果をもたらす」と投稿し、両社のパートナーシップを承認する意向を明らかにしました。

業績が悪化している日産自動車が経営の立て直しの費用に充てるため、横浜市の本社ビルの売却を検討していることがわかりました。売却額は1000億円規模になると見込まれているということです。

経済産業省は、アメリカの関税措置に対応して全国に設置した相談窓口に、企業からあわせて3000件を超える相談が寄せられ、なかには自動車メーカーから減産要請や納入延期を伝えられたといった報告があったことを明らかにしました。

23日の東京外国為替市場、アメリカの財政悪化への懸念が和らぎ、ドルを買い戻す動きが出る一方、アメリカが日本に円安ドル高の是正を求めるのではないかという観測から円を買う動きも出て、円相場は小幅な値動きとなりました。

アメリカの関税措置をめぐる日米交渉で、日本側は、日本製鉄によるアメリカの鉄鋼大手USスチールの買収計画に関連した数兆円規模の投資も盛り込んだ今後の日本企業によるアメリカへの投資計画を提示する方向で調整を進めています。日本製鉄による巨額投資も含めてアメリカ経済に貢献する姿勢を強調し、関税措置の見直しにつなげたい考えです。

23日の東京株式市場、日経平均株価は半導体や輸出関連を中心に幅広い銘柄に買い注文が出て、値上がりしています。

日本製鉄によるUSスチールの買収計画について、ロイター通信は再び審査したアメリカ政府のCFIUS＝対米外国投資委員会がトランプ大統領に報告したとする内容を22日に報じました。それによりますと、報告では全会一致には至らなかったものの「多くは安全保障上のリスクは軽減策をとることで対処が可能だと考えている」とホワイトハウスの当局者が匿名を条件に明らかにしたとしています。バイデン前大統領がことし1月に禁止命令を出した日本製鉄による巨額の買収計画は、CFIUSが再び審査を行っていました。報告を受けてトランプ大統領が6月5日までに買収計画についてどのような判断を下すかが注目されます。

日産自動車のイヴァン・エスピノーサ社長はNHKの単独インタビューで、国内外で削減する7工場について現時点で最終決定していないとした上で、従業員や地域の関係者に不安が広がっていることを踏まえ、検討状況の進捗（しんちょく）を丁寧に説明していく考えを強調しました。

自動車や部品に対するアメリカの関税措置について、日本自動車部品工業会の茅本隆司 会長は、国内生産を維持していくため、政府に対して支援を求めていく考えを示しました。

アメリカのトランプ大統領が国内の処方薬などの価格を引き下げるための大統領令に署名したことについて、医薬品メーカーが加盟する日本製薬工業協会の宮柱明日香会長は、薬価の引き下げにより、新薬の研究に影響が出ることへの懸念を示しました。