温室効果ガスの削減など脱炭素への取り組みが世界的に加速する中、大手商社の間では、石炭や原油の開発事業の見直しや石炭火力発電所の売却などを検討する動きが広がっています。

鉄鋼最大手の日本製鉄が行っているワイヤロープなどのメーカー、東京製綱のTOB＝株式の公開買い付けは、東京製綱の経営陣が反対することを明らかにし、敵対的なTOBへと発展することになりました。

日本商工会議所の三村会頭は、二酸化炭素の排出量に応じて企業などにコストを負担してもらう「カーボンプライシング」について「企業の技術開発によって脱炭素を実現すべきだ」として、導入に反対する考えを改めて示しました。

ことし4月に通信大手「ソフトバンク」の社長に就任する予定の宮川潤一副社長は4日、記者会見し「テクノロジーを羅針盤にして新たな常識を作り、進化しつづける企業にしていきたい」と抱負を述べました。

三菱重工業の去年12月までの9か月間の決算は、航空機や自動車関連の事業で需要が持ち直したことから、赤字が続いていた事業損益が200億円余りの黒字に転換しました。ただ、世界的な感染の再拡大で航空機部品の需要が再び低迷していることから今年度1年間の業績予想は据え置きました。

新型コロナウイルスの影響による利用客の減少で業績が悪化しているとして、JR西日本の最大の労働組合は、ことしの春闘で基本給の引き上げ、いわゆるベアに相当する要求を初めて見送る方針を固めました。

自動車メーカーのマツダは、4日開いた電話による記者会見で、世界的な半導体不足で部品が十分に調達できないことから、今月は、国内外の工場で計画よりおよそ7000台、生産を減らす見通しを明らかにしました。

大手商社の住友商事は、新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込んでいることから、経営責任を明確にするとして、兵頭誠之社長をはじめ、すべての執行役員40人余りの、ことし6月のボーナスをゼロにすることを明らかにしました。さらに兵頭社長は、ことし4月から6か月間、報酬を40％カットするとしています。

4日の東京株式市場、日経平均株価は値下がりしています。

世界の航空機の旅客の需要は去年、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で前年のおよそ3分の1の水準に落ち込んだことがわかりました。ことしに入ってからも予約の大幅な減少が続いており、航空業界への影響の長期化が懸念されています。