29日の東京株式市場は売り買いが交錯し、株価は小幅な値動きになっています。

企業の生産活動を示す9月の鉱工業生産指数は、前の月を5.4％下回って、3か月連続の低下となりました。世界的な半導体不足に加えて、東南アジアでの新型コロナウイルスの感染拡大で部材の調達が難しくなったことが主な要因です。

総務省によりますと、先月の全国の完全失業率は3か月連続となる2.8％でした。

関西と首都圏の2つの流通企業の間で争奪戦となっている「関西スーパーマーケット」の臨時の株主総会が29日、開かれます。関西スーパーが阪急阪神百貨店などの運営会社との経営統合を提案するのに対し、首都圏のスーパー「オーケー」が買収を視野に反対する意向を示していて、統合案が承認されるかが焦点です。

新生銀行に対してTOB＝株式の公開買い付けを実施しているネット金融大手、SBIホールディングスの北尾吉孝社長は、新生銀行が求めている買い取り価格の引き上げには応じない考えを改めて示しました。

半導体の受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが、日本に新しい半導体の工場を建設する方針を明らかにしたことを受けて、ソニーグループは28日、工場の建設や運営に協力していく姿勢を示しました。

28日の東京外国為替市場、円相場は小幅な値動きでした。

ソニーグループは、いわゆる巣ごもり需要で音楽配信サービスなどの売り上げが好調なことから、今年度1年間の営業利益が当初の予想を上回り、初めて1兆円を超える見込みだと発表しました。

28日の東京株式市場、日経平均株価は値下がりし、下げ幅は一時400円を超えました。世界的な半導体不足が企業の生産活動に影響を及ぼすことへの懸念などから、売り注文が先行しました。

日銀の黒田総裁は、記者会見で外国為替市場での円安ドル高について「現時点での若干の円安については悪い円安ではなく、日本経済にとってマイナスになることはない。輸出企業への影響、日本企業の海外子会社の収益面での影響を考えれば、むしろプラスの効果がある」との認識を示しました。その上で「若干、円安になったといっても経済の基礎的条件に反した動きであるとも思わない」と述べました。