ウクライナ情勢の影響で、火力発電の燃料となるLNG＝液化天然ガスなどの調達価格が大幅に上昇したことから、大手電力10社の3月までの1年間の決算は10社すべてで業績が悪化しました。

建設機械大手のコマツは、サプライチェーンの混乱などを理由にロシアにある工場での生産を停止していますが、現時点でロシア事業からの撤退は考えていないことを明らかにしました。

海外事業を多く手がけている大手電機メーカー、日立製作所と三菱電機の昨年度1年間の決算では、このところの円安が売り上げを押し上げる形となっています。

日銀の金融政策決定会合のあと、国内の債券市場では、長期金利が低下しました。日銀が強力な措置を通じて長期金利の上昇を抑える姿勢を鮮明にしたためです。

パンメーカー最大手の「山崎製パン」は、輸入小麦の価格の高騰などを受け、食パンと菓子パンの一部の製品をことし7月から値上げすることを決めました。製品価格の引き上げはことし2回目となります。

先月全国で着工された住宅の戸数は7万6000戸余りと、去年の同じ月よりも6％増え、13か月連続で増加しました。テレワークの普及で家で過ごす時間が増える中、住宅の需要は堅調な状況が続いています。

日銀の黒田総裁は28日まで開いた金融政策を決める会合のあとの記者会見で、円相場が20年ぶりに1ドル＝130円台まで値下がりするなど円安が急速に進んでいることについて「最近見られるような短期間での過度は変動は先行きの不確実性を高め、企業の事業計画の策定を難しくする面がある」と述べました。そのうえで、日銀として円安が経済・物価に与える影響を十分注意して見ていく考えを示しました。

航空大手のANAホールディングスが28日、発表した昨年度、1年間のグループ全体の決算は、最終的な損益が1436億円の赤字となりました。

日銀の金融政策決定会合の結果が公表されたあと、東京外国為替市場では円安が一段と進み、1ドル＝129円台後半で取り引きされています。市場関係者は「日銀が今の大規模な金融緩和策の維持を決めたことで、金融引き締めを急ぐアメリカのFRB＝連邦準備制度理事会との金融政策の違いがより強く意識され、利回りが見込めるドルを買う動きが優勢になっている」と話しています。

政府は、ウクライナ情勢に伴う物価高騰を受けた緊急対策を実行するための費用などとして、今年度の予備費から1兆5100億円余りを支出することを決めました。