先週末に政府・日銀が実施したドルを売って円を買う市場介入について、5兆円規模に上る可能性があるという推計もあります。

日銀出身で市場介入に携わった経験もある、JPモルガンチェース銀行の佐々木融 市場調査本部長は、円安の流れを変えるには、日本への投資を促す政策を実行するとともに、円安を生かすような政策も求められると指摘します。

電子部品大手の「日本電産」のことし4月から先月までの決算は、売り上げ、最終的な利益ともに、この時期として過去最高となりました。家電やゲーム機向けのモーターの販売が堅調だったうえ、円安で収益が押し上げられたことなどが主な要因だとしています。

日銀の黒田総裁は、24日の参議院の予算委員会で最近の物価上昇について「最近の急速な円安の進行が資源高と相まって輸入物価の上昇をもたらし、消費者物価の押し上げ要因になっている」と述べ、円安の影響が大きくなっているという見方を示しました。

エアコンや洗濯機など、いわゆる白物家電のことし4月から9月までの半年間の国内出荷額は、3年ぶりに前の年の同じ時期を上回りました。

中国の国家統計局は24日、ことし7月から9月までのGDP＝国内総生産を発表し、伸び率は、去年の同じ時期と比べてプラス3.9％となりました。伸び率は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って上海での厳しい外出制限の影響が大きく出た前の3か月を上回りました。一方、感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策の影響や不動産市場が低迷していることなどで、中国経済の回復は鈍く力強さを欠く状況となっています。中国の7月から先月までのGDPは当初10月18日に発表される予定でしたが、前日に延期が明らかにされたうえ、24日になって急きょ発表されるという極めて異例の措置がとられています。

国土交通省は、長期固定型の住宅ローン「フラット35」について、来年4月から一定の省エネ基準を満たすことを融資の条件とし、住宅の省エネ対応を促すことにしています。

政府・日銀が、ドルを売って円を買う市場介入に踏み切ったとみられることをめぐり、立憲民主党の泉代表は「介入しても効果は一時的だ」と批判したうえで、円安によってデメリットを受ける企業を支援すべきだという考えを強調しました。

外国為替市場で、21日夜に1ドル＝151円台後半まで急速に円安が進んだあとに、円相場は1ドル＝144円台まで一気に円高方向に変動しました。政府・日銀が、ドルを売って円を買う市場介入に踏み切ったとみられます。アメリカの市場関係者はどう見ているのでしょうか。アメリカ総局江崎大輔記者の解説です。

欧米などがロシアに対する経済制裁を強化する中、フィリピン政府は、国内の燃料価格の高騰を抑えるため、ロシア産の石油を輸入することを検討していて、今後、欧米などが「制裁の抜け穴」になるとして反発することも予想されます。