| スポンサーリンク |
企業だけに求めるべきではない家計所得の伸びの低さ
- 記事詳細
-
日本経済の特徴として、家計所得の伸びが低いことがよく指摘されます。
たとえば、GDP統計において過去5年間(2003年7−9月期から2008年4−6月期)の伸びを項目別にみると、家計所得(雇用者報酬)は3.8%しか増えていません。
設備投資が24.0%、輸出が55.9%も伸びていることも考慮すると、家計所得の伸びが低いとの指摘が、それなりに正しいように思えます。
家計所得の伸びが低い理由として、よく指摘されるのが、企業の人件費抑制姿勢の強さです。
企業は、稼いだ収益を家計に分配せず、配当金や自社株買いを通じて株主に配分したり、自社の手元に残す(社内留保を増やす)傾向が強いというものです。
財務省の法人企業統計によると、2003年度から2007年度の5年間、日本企業(金融保険を除く全産業・全規模)の配当金は94.1%、社内留保は128.6%増えていますが、人件費(役職員の給与・賞与と福利厚生費の合計)は7.0%しか増えていません。
この結果、労働分配率(企業が生み出した付加価値に対する人件費の割合)は、72.0%から69.4%に低下しています。
| スポンサーリンク |
