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投機規制をめぐる議論
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1.原油市況:金融市場の混乱を背景に乱高下
原油相場(WTI、期近物)は、金融市場の混乱を背景に乱高下した。
9月16日に一時1バレル90.51ドルの直近安値をつけた後反発に転じ、特殊要因があった22日には瞬間的に130ドルまで上昇したが、その後は105〜110ドルのレンジで推移した。
原油相場が乱高下した背景には、金融混乱と米政府の対応策をめぐり米ドル相場の変動が激しかったことや、当面の原油需要をみる上で、株価と原油相場との相関が高まっていること、また、22日には先物10月限の決済をめぐり、買い戻しに動いた一部業者が高値の買い注文を入れた影響による混乱などがあった。
この間、ハリケーン「アイク」上陸による被害が小さかったことが当初は売り材料となったが、その後生産再開が遅れていることが判明したことや、サウジアラビアの生産が減少に転じたことなどが買い材料となった。
一方、24日に発表された米週次石油統計で原油在庫が減少したものの市場の予想の範囲にとどまったことから材料視されなかった。
地政学リスクをめぐる動きにも引き続き市場は反応薄であった。
最近の原油の油種間スプレッド(価格差)をみると、原油相場が乱高下する中で、WTIのドバイやブレントに対する割安感は急速に解消された。
原油相場の先物カーブをみると、数年先にかけて緩やかな先高感があり、将来的な相場の戻りを予想されている。
また、先物市場における投機筋のポジションをみると、6月後半以降売り買いが拮抗する中、足元では小幅な買い超しに転じている。
一方、商業筋も含めた先物の建て玉をみると、2007年半ばをピークに、2008年7月以降は減少傾向が強まっている。
原油相場は、夏場以降続いた景気減速懸念や投機資金流出への思惑などを背景とした一本調子の下落に歯止めがかかり始めている。
先行きについても、景気減速懸念が相場の上値を抑制する一方、下落局面ではOPECの減産の可能性が意識されるほか、値ごろ感から中国などの原油購入も増えるとみられ相場の下支えとなろう。
このため、しばらくは方向感を失う展開が続くとみられ、90〜110ドルを中心とした横ばい圏での推移が見込まれる。

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