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エタノール生産の強気見通しを崩さない米国農務省の不思議
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現地12日に、米国農務省は農産物の需給予測を発表しました。
今回の発表において08〜09年度における米国のコーン期末在庫率は8.1%と発表されました。
これは、前月の発表からは0.6%の下方修正ですが、年初当時の発表に比べると2.2%の上方修正となります。
これに伴い、米国のコーン期末在庫日数も当初の21.8日から29.3日へと増加しています。
ただ、今回の報告で気になったのは、エタノール生産用コーンの消費量が、原油価格が110ドル上回っていた当時に予測されていた40億ブッシェルを上回る41億ブッシェルに据え置かれた点です。
41億ブッシェルのコーンから生産されるエタノールの量は、現在の生産効率で見ると114.8ガロン程度になることが推定されますが、これは米国のガソリン消費量の10%にも届きません。
燃料という視点から見ると、バイオエタノールがガソリン需要に占める割合は大きなものではありません。
しかしながら、その原料という視点で見た場合、コーン消費に占めるエタノールの割合は、06年〜07年度は18.9%、07〜08年度は23.2%、そして08〜09年度は32.4%に達するなど、年々高まる一方です。
そしてこのエタノール生産用コーン需要の急激な増加がコーン価格の上昇を促す有力な原因の一つになっていることも良く知られています。

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