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第14回 私が会った<A女>たち(3)民主主義の根幹を拒否した改革開放が“悲劇”を呼ぶ(中国“A女”の悲劇)
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- 透き通るような白い肌に大きな瞳。長いまつげが、化粧っ気のないまぶたに黒く光っている。栗毛色の髪の毛を三つ網にしている劉玲(りゅう・れい)は、とても30を過ぎているとは見えない。 北京のエリート大学の学部を卒業した後、修士課程に進学し、出版社に就職した。編集の仕事をしている。 彼女が付き合っていた張健は三歳年上の、大学の先輩だった。付き合っていたというより、形式上の「夫」であったと言った方が正確だ。 実は劉玲と張健は籍を入れていた。結婚証を持っていたのだ。つまり、結婚登記(結婚届け)だけを行なって、まだ結婚式を挙げてないということを理由に、一緒に住んではいなかったという、なんとも奇妙な関係にあったのである。

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