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NY市場概況 オークション・レート証券
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2008/03/29(土) 07:48
ここ数日、通信社の画面を賑わしていたキーワードがある。
オークション・レ ート証券(ARS)だ。
ARSは長期の地方債や社債または優先株(優先株の 場合はARPS)などを対象に、ダッチ・オークション方式で一定期間ごとに金利 や配当利回りを再設定する仕組みで、金融機関が現金に代わる安全な資産 として投資家に販売してきた。
これまでは安定的に入札が実行され、換金し やすい安全な資産として投資家の人気も集めていたようだ。
しかし、サブプラ イム問題による流動性危機で参加者が減少、不調な入札から札割れも頻繁 に起きて、売却が困難になってきており、投資家は換金できない状態に陥っ ている。
シティ、メリル、モルガンスタンレーなど大手金融機関は、投資リスクを適切に 開示していなかったとして、投資家から訴訟が相次いでいる。
マサチューセッ ツ州当局は、メリルリンチとバンク・オブ・アメリカに対して召喚状を送り、ARS 市場が流動性不足に陥る可能性について投資家に十分説明したかどうかを 調査するための資料を提出するよう求めた。
これに対して金融機関も対応、スイスのUBSは顧客勘定にあるARSの評価額 を引き下げた。
UBSはこれまでARSが入札で売却できなくても評価額を変えず 顧客に高い金利を払っていた。
しかし方針を変更し、顧客に通告した。
中には 20%以上評価額が下がるケースもあるという。
先日、米医薬品大手のブリストル・マイヤーズ・スクイブはARS投資に関して 1億1700万ドル(117億円)の減損処理を行ったと発表した。
ムーディーズによると、ARSの市場規模は3000億ドル(30兆円)強。
信用危機 は専ら金融機関の損失がクローズアップされるが、一般企業や個人も相応に 影響が出てきているようだ。

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