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第14話「つまり今度の株主総会では取締役の再任はない」(あの男の正体(はらわた))
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- (前回から読む) 「澤田先輩は会社のために、進んで我が身を犠牲にされた」 あの男の声だった。威圧的な、低い声だ。広い会議室と共鳴するのか、部屋のなかに響きが残って、なかなか消えない。 目の前に20人ほどの内外海行の取締役たちがならんで座っている。ロの字型のテーブルの三辺に、それぞれ6、7人ほどが鈴なりになっていた。残る一辺に、あの男が一人だけ、ワイシャツのそでをひじまで捲りあげたうえに両腕を組み合わせて座っている。両脚をテーブルの下で左右に広げ、床を押さえつけてでもいるようだった。ワイシャツの一番上のボタンがはずされ、ネクタイも大きくゆるめられている。視線は、真っ正面をにらんで動かない。
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