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一極集中を生む横並び(熊野信一郎のクロス・ボーダー)
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- タイを襲った洪水はピークを脱し、多くの企業が生産再開へと動き出している。タイはアジアの中では「カントリーリスクが低い」とされてきた国だ。民主主義国家で経済も安定し、民族・宗教対立のような紛争の種も少ない。東南アジア諸国連合(ASEAN)でも、日本からの投資がタイに集中してきたのは、そうした安心感があったためだ。 ただそれも揺らいでいる。2010年にはタクシン元首相を支持するグループによる政府への抗議運動が過激化し、首都バンコクが麻痺する事態に至ったことは記憶に新しい。「過去50年で最悪」と言われる今回の洪水も昨年の政治的混乱も、後から見ればいくらでも「起こるべくして起こった」と言えるが、事前にはそれほど深刻に捉えられていなかった点で共通する。

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