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第9話「58歳の男にとっては、20歳の女も42歳の女も同じことだ」(あの男の正体(はらわた))
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- (前回から読む) いつだったか、先代社長の南川丈太郎がこんなことを房恵に言ってきかせたことがあった。多分、いつもの表参道のマンションで、バルセロナ・チェアに斜めに座ってのことだったか。 南川があの男を社長後継に指名した直後だった。いや、ひょっとしたらもっと後のことだったかもしれない。 「房恵、どうやらオマエ、近ごろ、あの男のことが気になってならないようだな。 いや、いい、いい。それで当たり前だ。俺はもう長くない。オマエはこの俺に、ふつうの人間がしてくれる以上のことをしてくれた。感謝している。とても感謝している。 だがな、房恵。あの男に惚れるのだけはやめたほうがいい。
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