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【NY市場】信用不安と原油安で過度な楽観論は後退
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20日のNY為替市場はドル売りが優勢となった。
金融機 関の評価損拡大観測やモノラインの格下げなど、信用 不安が引き続き根強く、株価も大幅に下落する中、ドル も売り圧力が強まった。
きのうは原油が下落していたことから、ドルは下値を維 持していたが、きょうはイスラエルとイランの緊張報道 などもあり、原油は大幅に反落し、ドルの支えとはならな かった。
住宅価格が上昇しない中で、金融機関の信用状況が 改善していないことは、既に予想されていたことではあ ったと思うが、今週の米投資銀行の決算などを経て、 改めて再認識していたようだ。
過度な楽観論もきょうは 後退していた格好。
ただ、IMFは、きょう米成長見通しの 上方修正を発表している。
米景気減速は思っていたほ どでもなく、ハードランディングのシナリオは回避される としている。
またFRBの早期利上げが必要になる可能性 も指摘していた。
一部には8月にもFRBは利上げを実施、年内に0.5%の 利上げ期待も高まっていたようだが、金融機関の信用 不安に対する株価の動きを見せられると、その期待も 後退させざるおえないだろう。
ただ、現状のインフレから 考えれば、もう利下げは無理。
潤沢な流動性供給を継続 するのみで、後は金融機関の自助努力に委ねるしかない。
不透明感は残るが、過度な悲観論も後退しているものと 思われる。
戻し減税の効果とは言え、小売売上高など 5月の個人消費は非常に強かった。
減税実施前は戻し税 分は貯蓄か負債の支払いに回るのではとの見方も強か った。
そのことから考えれば、個人の消費意欲は底堅い ともいえよう。
エネルギー価格上昇が消費者信頼感に与える影響は警戒 されるが、年内1回は利上げが実施できる余地はあるもの と思われる。
◆ドル円はレンジを下にブレイク ドル円は売りが強まり、107円台前半まで下落した。
今週 は概ね107.50から108.50の狭いレンジを行き来していた が、きょうはレンジを下にブレイクした格好となっている。
維持されてきた10日移動平均(107.60)も完全にブレイク している。
目先は107.00が意識されるだろうが、それを下回ると、 106.20/30水準までサポートらしいサポートもない。
株価が大幅に下落していたことで、リスク回避の動きから、 ユーロ円、ポンド円も下落している。
ユーロ円は167円を ブレイクしてくるかどうかが注目され、金融機関の信用不 安が続くかどうかが鍵となりそうだ。
◆信用不安が話題の中心になるとポンドは弱い 対ドルではポンドは堅調に推移していたが、対ユーロ、 対スイスなどでは下落、相対的にはポンドは軟調な動き だったと言えよう。
ポンド円も211円台に下落した。
ここ数日、金融機関の信用不安が再燃しており、ドルを 圧迫しているが、この話題が市場の中心に居座ると、 英金融機関の不透明感を抱えているポンドもやはり 弱い。
きのうは英小売売上高が予想外の強さを示したことから、 英利上げ観測が再び強まり、ポンド買い一色となってい たが、きょうは利益確定売りが強まったようだ。
また、利上げについては、きのうギーブ英中銀副総裁が 「物価に対し、速すぎる金利設定なら、経済が混乱する」 と述べており、今週のキング総裁の発言同様、短期的な インフレ上昇は認めざるおえないが、早期利上げまでは、 まだ消極的な印象も受ける。

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