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西欧の「殺敵主義」と和漢の「屈敵主義」の悩ましい関係(明治の男に学ぶ中国古典)
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- 秋山真之は、古今東西の軍事戦略書を二つに分類し、次のように整理しました。この分類が、『孫子』の状況認識の特異性にそのまま直結している切り口なので、まずはご紹介したいと思います。 《泰西兵家の諸説は敵に最大の損害を与へ、或は為し得れば之を殲滅せんとするが如き、全く其敵を殺して無き者にせんとする殺敵主義にして、敵を殺傷するは此主義の目的とする処なり、又和漢兵家の説は敵の意思を屈して我に服従せしめんとする屈敵主義にして、敵を殺傷することあるも、そは唯だ敵を屈するの手段として用ゆるものなり。 即ち前者は殺敵を目的とし後者は殺敵を手段とせり。今単純なる一例を以て此を対比せんに、茲に相格闘する二兵ありと仮定せよ、殺敵主義にては飽く迄も対手の生命を絶つを目的とし、之がため敵の致命部を斬り終に咽喉を衝かんとし、敵も亦同一の意思を以て之に対抗するが故に其格闘惨烈にして、敵を倒し得るも我も亦大傷して起つ能はざるの被害に苦まざるを得ず。
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