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【NY市場】失業率大幅悪化、原油急騰でドル売り・円買い
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6日のNY為替市場はドル売り、円買いの動きが強まった。
きょう発表になった5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数 （NFP）は予想ほど悪化しなかったものの、失業率が5.5％と前月 （5.0）から0.5％急上昇した。
0.5％の上昇は22年ぶりのこと。
予想以上の悪化に市場では不透明感を強め、ドル売りが優勢と なった。
さらに、市場のセンチメントを悪化させたのが原油の暴騰。
一時 139ドルまで上昇、値上がり率は8％超となった。
失業率悪化に加 え、モルガン・スタンレーがレポートで、7月4日までに原油価格が 150ドルまで上昇する可能性を述べたことや、イスラエル運輸相 がイラン核施設への攻撃は不可避のようだと発言したことも、 原油買いを強めている。
この動きに株式市場でダウ平均は300ドルを超える急落、リスク 回避の動きが強まり、円買いの動きも見られた。
◆ドル円はサポートラインまで下落、 リスク回避の動きからドル売り・円買いの動きが強まり、ドル円 は106円台から急速に下落、一時105を割り込む場面も見られた。
雇用統計は弱い結果となったが、FRBが再び利下げモードに 入るとは考えにくく、ブラード・セントルイス連銀総裁も講演で、 更に利下げをする正当な理由はないと利下げには否定的な 発言をしていた。
一部で高まっていた利上げ期待については、 やや後退させた感もあるが、米FF金利先物市場では、まだ12 月のFOMCでの利上げの確率が据え置きより高い。
きょうの 原油暴騰を見ても、これ以上の利下げは難しいだろう。
目先のサポートラインとしては105.00水準。
10日移動平均、フィ ボナッチ38.2％戻し（5/22-6/5上昇波）、そして一目均衡表の 転換線などが近くに集まっている。
ドル円は下落はしたものの、きょうはサポートラインまで下落、 維持できるか注目される。
◆ユーロ買い強まる 来月の利上げほぼ確実な情勢か ユーロドルは急上昇した。
きのうのトリシェECB総裁の理事会後 の会見での来月の利上げの可能性を排除しないとの発言に、 利上げ観測が急速に市場に高まり、ユーロは買い戻しの気運が 高まっていた。
きょうは米失業率が大幅に悪化を見せたが、ユー ロ買い戻しには好都合な材料となったようだ。
米失業率悪化は ドル売り以上にユーロ買いを誘発した印象も。
原油も急騰する中、ユーロドルは堅調に推移、1.5760近辺まで 上昇、きょうの高値圏での推移が続いた。
きょうの上昇で、デット クロスを示現しそうだった10日、21日移動平均線を完全に上回り リバウンドのシグナルが形成されている。
目先のレジスタンスは 5月27日の高値水準の1.5810/20。
また、ECB関連ではビニ・スマギECB専務理事やウェーバー独 連銀総裁の発言が伝わり、市場はきのうのECBのメッセージを 良く理解していると発言、政策変更について、ECB理事のコン センサスも十分とれているとしている。
これらの発言からすると、 来月の利上げは、ほぼ確実な情勢か。
◆カナダ、来週の利下げ観測は強いが、その先は据え置きも カナダはNY時間に入って買いが優勢となった。
原油が急騰した ことで、カナダは買い戻され、ドルカナダはロンドン時間の1.02台 から1.0165近辺まで一時下落している。
ただ、きょう発表になった カナダの雇用統計は、雇用増加数が予想を下回るなど透明感も 強かった。
来週10日にカナダ中銀の政策金利の発表があるが、利下げが 確実視されている。
ただ、ロイター通信の調査によると、プライマ リーディーラー12社のうち、来週の利下げは全社が見込んでいる ものの、それ以降、7月、9月は据え置きを見込んでいる向きが多 いようだ。
声明が注目される。
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