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「タイソンはなぜ1億ドルも稼いだのに破産したと思う?」(ルポ:“弱者”として生きるアメリカ)
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- (前回「賢く強く健気な子に、何もしてあげられないのか?」から読む) 翌日も少年Aは私の授業を受けられなかった。なので、少年Cとの個人レッスンになった。 「今日も眠たそうだな。また遅くまで働いたのか?」 「うん・・・」 Cの左目の上には傷があった。 「どうしたんだい?」 「フリーマーケットで喧嘩になっちゃって」 「ボクシングを使っていないだろうな?」 私はかなりきつい口調で咎めた。 「少し、パンチを出した・・・」 「約束を破ったのなら、俺はもうお前にボクシングを教えないよ」 「違うよ! 先生。自分を守るためには仕方なかったんだ。仕掛けて来たのは向こうなんだから」 「とにかく、今日は教えない」 「ごめんなさい」 前日に続いて、教室の隅からAがチラチラと我々に視線を送っている。

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