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戻ってきてしまった少年(ルポ:“弱者”として生きるアメリカ)
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- 教室に入るなり目に飛び込んできたのは、担任を殺そうとしたあの少年だった。過去にも本連載で記したが、彼はOpportunity Schoolを巣立ったにも拘らず、新たな学校で上手くやれていなかった。 テーラー・ハーパーも私も少年の暮らしぶりに気を揉んでいたが、年末に3週間の停学を喰らったという。私がハーパーに、「週に一度、彼の自宅に通って一緒に過ごす時間を作ろうか?」と提案した直後のことだ。 「おっ、戻って来たのか?」 私が声を掛けると、彼はヘヘヘヘと笑った。相変わらず寝癖がついており、解けた靴の紐を自分で踏んでいるようないでたちだ。 「Have a Happy New Year!」 おどけるように私が告げると、少年は白い歯を見せた。

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