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米11月貿易赤字、10カ月ぶり高水準に拡大=輸入堅調で
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【2010年1月14日(木)】 − 米商務省が12日発表した昨年11月の貿易・サービス収支(季節調整済み)の赤字幅は、前月(昨年10月)の332億ドル(改定前は329億ドル)から364億ドルに9.7%拡大し、昨年1月以来10カ月ぶりの高水準となった。
これは輸出が前月比0.9%増の1382億ドルと、7カ月連続の増加、また、1年ぶりの高水準となったものの、輸入が米国内の景気回復を背景に外国製品に対する需要が急増したため、その3倍の同2.6%増の1746億ドル、ハイペースとなったためだ。
多くのエコノミストは、今回の貿易赤字の拡大については、米国経済が世界的なリセッション(景気失速)を克服し回復を続けている兆候だとして、楽観的に見ている。
また、今後数カ月先の貿易赤字幅については、このまま安定的に推移するとの見方が多い。
2009年の月平均赤字額は約310億ドルとなる見通しだが、これに対し、2010年は23%増の約380億ドルになるとの予測がある。
2008年に見られた600億ドル強よりは大幅に少なく、世界の貿易重要が今後拡大することやドル安を背景に米国の製造業の輸出は増加傾向を維持するとの見方が多い。
これは大半の企業が在庫水準は安定すると見ているため、輸入に対する需要が増えにくいからだ。
その一方で、輸出は米国の貿易相手国の景気回復を反映して引き続き拡大ペースを維持すると見られているからだ。
ただ、貿易赤字の拡大は外需(純輸出)の寄与度でGDP伸び率の押し下げ要因となる。
第1四半期(1-3月)GDPは+2.2%だったが、このときの外需の寄与度はマイナス0.81%ポイントで、1年ぶりにGDPの伸びを抑えている。
今月29日に発表される第4四半期(10-12月)GDPは強い伸びが予想されているが、このGDPに影響を与えるインフレ調整後の11月の貿易赤字は407億1000万ドルで、これは10月の383億3000万ドルを大幅に上回っている。
このため、第4四半期GDP伸び率予想は多少、割り引いて見る必要が出てきた。

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