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【NY市場】ECB慎重姿勢で、ドル買いユーロ売り
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3日のNY市場はドル買い・ユーロ売りが優勢となった。
きょう開かれたECB理事会後、ECBは経済見通しなどを上方修正していたものの、トリシェ総裁の会見では、金利は適切、先行きは依然不透明で、慎重姿勢が妥当などと述べたことで、市場の早期利上げへの期待感は後退した格好となった。
会見後、ユーロ売りが強まる中、ユーロドル下落が、ドル買いを全体に波及させた面も。
また、きょう発表になった経済指標が期待したほど強くなかったことも、リスク回避の動きからのドル買いを誘った。
ユーロドルは1.4240近辺に下落する一方、ドル円はじり高の展開となった。
◆ISMは予想上回るも、やや失望感 きょう発表になった8月のISM非製造業景気指数は48.4となり、前回を上回り、市場予想(48.0)も若干だが上回る内容だった。
しかし、市場の反応はネガティブな方向に動いた。
今週発表になった製造業のISM指数が52.9と景気判断の分岐点の50を上回っていたことから、非製造業も50を上回るのではとの期待もあったようだ。
新規受注や 雇用は前回から改善している。
◆92.60水準がレジスタンスに ドル円は買い戻しが優勢となったものの、前日までサポートとなっていた92.60の水準が今度はレジスタンスに変化している模様で、終盤に突破した場面もあったが、基本的にはその付近で止められている。
一方、きょうは東京時間に一時92円を割り込む場面も見られたが、サポートされた。
92.00の水準には日本の機関投資家の買い需要も相当程度あるようだ。
その中には準政府系の買いも観測されている。
7月も一時92円を割り込んだが、この時も、それらの機関の買いが下値をサポートした経緯もあった。
外貨建て投資にとっては、それなりに魅力的な水準なのかもしれない。
◆利上げも各国協調か きょうのトリシェECB総裁の会見は長期間の低金利継続を示唆したとの見方も多い。
ECBスタッフによる景気見通しは上方修正されており、景気底打ち示したものの、慎重姿勢はなお崩していない。
今週の豪中銀も同様の姿勢を示していた。
各国首脳の発言から、今度のG20財務相会合、そして、今月下旬のG20サミットでは、金融政策を含む出口戦略は討議はするが、一方で実施する段階では無いとの認識が共有されそうな気配だ。
今回の景気底打ちは、大規模な景気刺激策によって支えられている面が大きく、その効果が剥がれた時の状況を確認する必要であり、正当な認識であろう。
また、一部には、出口戦略を実施に移す場合は各国協調で実行すべきとの考えも出ている。
市場では豪中銀やECBの早期利上げ観測が強まっているが、各国協調ということになれば、両者だけ先走ることもできない。
利下げも協調した動きだったが、利上げも各国協調ということか。

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