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短期ではドル安要因とならない中国外貨準備の構成シフト
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中国共産党機関紙の人民日報(海外版)は、8月20日の論説記事で、6月末の中国の米国債保有額が大幅に減ったことは、外貨準備運用の多様化を追求している表れ、との見解を示しました。
また、同記事は、外貨準備を使って中国企業の海外進出を後押しし、先端技術や資源などを手に入れるべき、とも主張しています。
中国は、世界最大の米国債保有国です。
6月末の保有残高は、7764億ドル(約73.5兆円)と巨額ですが、5月末から251億ドル減り、9年ぶりの大幅な減少となっています。
米国債は、デフォルト(債務不履行)リスクが非常に低いといわれていますが、米国債はドル建てのため、米国債を大量の保有することは、ドル安リスクを抱えることを意味します。
米国が、景気対策として、過去に例を見ない規模で金融緩和策を進めている以上、ドル安リスクは、過去に比べて高いといえます。
中国としては、せっかく溜め込んだ外貨準備の目減りを避けるためにも、外貨準備に占める米国債の割合を下げることで、ドル安リスクを少しでも低くしたいところです。

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