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【NY市場】株価上昇で円売りの動き、ユーロは買戻し続く
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12日のNY為替市場は円売りの動きが優勢となった。
ダウ平均が一時 160ドル近く、株価が上昇したことが要因。
株価が上昇した背景には原 油が利益確定売りで7日ぶりに反落したことや、金融株が堅調に推移 したこと。
モノライン最大手のMBIAが1-3月期の決算を発表し、サブプライムロー ン関連の保険業務の損失から24.1億ドルの赤字(1株13.03ドルの赤字) を計上した。
しかし、同時に「手持ち資金は十分で現在の信用不安を 乗り切れる」と強調した。
市場はこの会社側の説明の方に反応し、MBIA 株は大幅に上昇したことで、金融株全体に安心感が出ていたようだ。
先週はAIGの不調な決算で金融株に不透明感も出て、リスク回避的な 動きも出ていたが、きょうは逆の動きとなっており、為替市場でもリスク 許容度が上がっていたようだ。
ただ、ドル売りユーロ買いはきょうも続き、ユーロドルは1.55台を回復し ている。
◆ドル円は21日線の上を復活 自律反発基調は残る ドル円はドル売り優勢の展開から、前半は売りが優勢となった。
ロンドン 時間に104円近くを回復していたが、米国債利回りが下げて始まってい たこともあって、急速に売りが強まり、一時103.20近辺まで下落した。
エ バンズ・シカゴ連銀総裁の講演が目先の景気鈍化リスクや、ドル安によ る米経済への好影響を指摘していたことも、ドルを圧迫した。
しかし、原油が7日ぶりに利益確定売りに押されたことや、株高などで、 円売りの動きが活発になり、104円台は回復できなかったが、後半にか けて下げを取り戻した。
先週は調整色が強まり、21日移動平均もブレイクした。
きょうは反発の 動きとなり、21日移動平均(103.60)の上を再び回復している。
何とか自 律反発基調は残した格好となったが、目先は10日移動平均が104.25近 辺にあり、この水準を上回れるか注目したいところ。
この水準を突破で きれば、直近の高値105.60を再び目指しそうだが、再び103.50の水準を 下抜けるようだと、101円を目指す展開も。
引き続き原油が重要なポイン ト。
◆ユーロは堅調続く ECB理事はきょうもタカ派維持 ユーロは買戻しが続き、ユーロドルは1.55台にしっかりと乗せてきた。
原油も7日ぶりに反落、NY株価は堅調だったが、ユーロの買い戻しは 衰えなかった。
ECBは依然、インフレ重視姿勢を維持しており、きょう市場 に伝わったトリシェECB総裁を始めとした、ECB理事の発言はいずれも、 タカ派なものばかりであった。
原油もさることながら、ユーロ圏ではインフレの最大の要因の一つである 賃金の上昇が続いており、これが緩和しない限り、ECBのインフレ懸念は 緩みそうにない。
トリシェ総裁は賃金の低下が必要だとの認識をきょうも 示している。
外国人の一部には、食品、エネルギー高による日本のインフレを気にして いる向きもいるようだが、ユーロ圏とは賃金上昇という点で、インフレの中身 が決定的に違う。
◆カナダ堅調 カナダ株最高値更新 原油は上げが一服したが、カナダは堅調に推移した。
ドルカナダは一時 1.0025近辺まで下落、再びパリティ(1.00)を目指す動きとなっている。
円売 りの動きから、カナダ円が反発たことも、カナダをサポートしたようだ。
また、カナダの株価が最高値を更新している。
S&Pトロント総合指数は一時 14695ポイントまで上昇し、きのうの取引時間中の高値を更新した。
ただ、カナダの債券市場で10年債利回りは低下しており、利下げ観測 は依然として根強い。
きょう発表になった新築住宅販売価格は前月比0.2%の上昇と市場の 予想通りの内容となった。

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