スポンサーリンク |
7月の原油市況〜60ドル台を中心に一進一退
- 記事詳細
-
1.7月の原油市況:60ドル台を中心に一進一退
7月の原油相場(WTI、期近物)は、月初に一時1バレル=71ドル台に乗せた後は下落基調で推移して中旬には60ドルを下回ったが、月末かけて70ドル台に迫った(8月3日の終値は71.58ドル)。
米国を中心に景気回復観測が強まったり、弱まったりするのに連動して、原油相場が上下に変動し、株価との連動性も意識された。
中旬にかけて下落基調が続いた背景には、米国週次石油統計でガソリン在庫の増加が示されたこと、米国雇用関連指標や消費関連指標が弱めに出たことがあった。
もっとも、月末にかけて、米国企業の4〜6月期の決算が好調であったことを受けて株価が上昇すると、原油も連れ高となる動きが強まった。
一方で、米国の原油や石油製品の在庫水準は高止まりしており、現物市場の荷余り感は残っている。
原油の油種間スプレッド(価格差)をみると、月末にかけてWTIが他の油種に比べて、やや割安となった。
一方、原油価格の先物カーブをみると、先高観測が根強いが、期近安が修正されるにつれて期先の価格が期近を上回る程度は小さくなっている。
先物市場における投機筋のポジションは買い越し幅の縮小が続いた。
また、商業筋も含めた先物の全建玉残高は下げ止まっている。
依然として石油製品や原油の在庫水準は高く、需給の引き締まり感は乏しいながら、世界景気の持ち直し観測が強まる局面では、原油相場も、株価や他の商品と同様に上昇する傾向が目立つ。
現在の相場水準は、少なくとも年内の製造業活動の回復基調やそれに伴う石油需要の増加を織り込んだものと思われる。
さらに一段と相場が上昇するのには、各国雇用情勢の下げとまりや貿易・物流の持ち直しなど、新たな材料が必要となろう。
しばらくは、70ドルをはさんで一進一退で推移した後、年末から来年にかけては上昇傾向になる可能性がある。

スポンサーリンク |