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【NY市場】原油高・株安でドル売りの動き続く
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9日のNY為替市場はドル売りの動きが続いた。
原油は買いの勢い が衰えず、一時126ドル高まで上昇し、連日最高値を更新する中、 米実体経済への影響が警戒される。
また前日発表になったAIGの 決算が予想以上に赤字が拡大し、格付け会社も格下げを実施す る中、株式市場でダウ平均が一時150ドル超下落、ドルを圧迫し ていた。
米利下げ観測の後退、そして金融市場の落ち着きといった2つの 材料から、ドルは買い戻しが優勢となっていた。
先週末に発表され た米雇用統計が予想ほど悪化せず、市場の雰囲気は更に改善し ていたが、一方で、その動きが原油高を誘発している。
重ねて、きょ うは依然として燻っている金融機関の信用不安が再度表面化した 格好で、市場には悲観論が再び復活してしまった1日となった。
◆ドル円102円台 調整色鮮明に 米景気の先行き不透明感が再び強まり、各国の株式市場も軟調 に推移する中、リスク回避的な動きが強まった。
ドル円も東京、ロン ドン時間と軟調に推移、NY時間に入って、一時102.60近辺まで下落 している。
その水準では本邦筋や英系、アジア系中銀の買い支えな ども観測され、米貿易赤字が予想ほど悪化しなかったことをきっかけ に、103.40近辺まで戻す場面も見られたが、結局、103.00近辺で終え ている。
きょうの下げで、きのうサポートされた21日移動平均(103.50)は完全 に下回っている。
次のテクニカル的なサポートとしては101.80にフィボナ ッチ(3/17-5/5)の38.2%戻しの水準。
この水準も下抜けた場合、目先 の下値目標としてボリンジャーバンド(21日、2標準偏差)の下限である 101円台前半が視野に入ってくる。
今週は下げが続き、チャート的には100日移動平均線に上値を拒まれ、 跳ね返された格好となってしまった。
早期利下げ観測が強まる雰囲気 までは、まだ無く、原油次第では反転する可能性も十分考えられるが、 きょうまでの動きからすると、調整色を鮮明にし、判断は下向きと言え そうだ。
◆ユーロ買いに安心感 ユーロは買い戻しが優勢となった。
ユーロドルは1.5480近辺まで上昇、 1.55までは試す動きは出なかったが、堅調な推移となった。
対ポンドでも 上昇している。
きのうのECB理事会後のトリシェECB総裁の会見が、一部の期待に反 して、インフレ警戒を重視を維持したタカ派な内容だったことから、ユーロ に一旦安心感が出ていたようだ。
下値ではソブリン系の買いも観測され 始めている。
もともと原油との連動性が強いが、ECBのタカ派姿勢維持 を背景に、原油上昇がサポートとなっているようだ。
◆信用懸念が相場の中心に来ると、ポンドは弱い ポンドドルは終盤に買い戻されていたが、他の通貨に比べると、 軟調だったと言えよう。
AIGの予想以上の赤字決算で、格下げも実施 されたことで、きょうの市場は再び金融機関の信用懸念が強まった。
この話題が中心に出てくると、米国同様に英金融機関も不透明感 が強く、ポンドは弱い。
ドル売り優勢の展開にもかかわらず、ポンドドルは一時1.9460近辺ま で下落していた。
ポンド円も一時200円を割り込む場面が見られた。
英国も住宅市場の低迷などから景況感が弱く、利下げ観測が根強い が、一方でインフレ懸念も強い。
来週は欧米各国のインフレ指標の発 表が相次ぐが、英国も消費者物価や生産者物価が発表される予定。
いずれも、前月よりも若干高めの数字が予想されている。

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