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米5月貿易赤字、9年半ぶり低水準に=輸出減少に歯止めかかる
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−第2四半期GDP、マイナス幅が大幅縮小の可能性−
【2009年7月12日(日)】 − 先週(10日)、米商務省が発表した5月の貿易・サービス収支(季節調整済み)の赤字幅が前月比で10%近い大幅減少となった。
今回の貿易赤字の縮小はGDPを1.5%ポイント押し上げると見られており、7月31日に発表予定の第2四半期(4-6月)GDPのマイナス幅が、当初想定された数値よりも大幅に上方修正される見通しとなってきた。
エコノミストの一部ではプラス成長に転換するのではないかという強気の予想も出始めている。
5月の貿易赤字は前月比9.8%減(前年比57.1%減)の260億ドルとなった。
これは1999年11月以来9年半ぶりの低水準で、市場予想の赤字幅300億ドルを大幅に下回り、前月(4月)の赤字幅288億ドル(改定前は292億ドル)も大幅に下回った。
赤字幅が大幅に縮小したのは、輸出がドル安傾向と中国向け輸出が改善したことから前月比1.6%増と、昨年7月以来10カ月ぶりの高い伸びとなる一方で、輸入が同0.6%減と、2004年7月以来約5年ぶりの低水準に減少したためだ。
特に、輸入の下落は原油輸入量の大幅減少が効いた。
全体的に、輸入の減少は、米経済のリセッション(景気失速)の深刻化を受けた企業が在庫と支出の削減を推し進めているためだが、過剰在庫の調整が加速すれば、元来、GDPの押し上げ要因である企業在庫の一段の減少で、逆にGDPの伸びが抑制される一面もある。

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