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【NY市場】ドル売り強まり、欧州通貨に買い戻し
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9日のNY為替市場は対欧州通貨でドル売りが優勢となった。
序盤は原油が60ドルを割り込んだこともあり、リスク回避のドル買いが優勢な場面も見られたが、後半にかけてドル売りが強まる展開。
ユーロドルは1.40台後半まで上昇、欧州通貨の強い動きに、クロス円も買い戻しが優勢となった。
ドル円はドル安・円安の流れから中立的な動き。
◆通貨切り下げ合戦に楔(くさび) ドル売りを強める特段の材料もなく、NY株式市場も小動きが続いていたことから、株安・原油安・ドル高といった、このところの金融市場全体のリスクマネーの動きに変化が出た訳でも無さそうだ。
むしろ為替市場固有の動きだったとも見られる。
流れが変化したタイミングに、G8、G5サミット拡大会合の共同声明が伝わっていた。
その中に「競争的な通貨切り下げを控えて、安定的な金融システムの促進」という文言が載せられている。
スイス売り介入、ロシアのルーブル切り下げ、英当局によるポンド安歓迎論など、各国は経済危機防衛のための「通貨切り下げ合戦」に陥ってしまっているとの懸念も強まっており、今回の声明は、その動きに楔(くさび)を刺した格好だ。
声明に盛り込まれることは、ドイツ政府筋などから事前に伝わってはいたが、実際、発表されたことで、改めて意識的なドル売り・欧州通貨買いが強まったのかもしれない。
また、中国が準備通貨の改革を提案していたことも、ドル売りを誘発した面も。
◆入札は比較的好調 為替市場の反応は限定的 きょうは米30年債の入札が実施された。
結果は最高落札利回りが4.303%、応札倍率は2.36倍(前回2.68倍)となった。
倍率は前回より低下したことで、米国債利回りは発表直後に上昇したが、前回が高めで、今回はむしろ、このところの入札と比較すれば平均以上だったことからも、まもなく利回りは低下している。
為替市場の反応は限定的。
◆FRBは景気底打ちの見方優勢か きょうはスターン・ミネアポリス連銀総裁の講演が行われていた。
特に市場の反応は無かったが、発言内容としては、景気回復は間近との見解を示していた。
前日のエバンズ・シカゴ連銀総裁も、景気は足元で底打ちと発言している。
このところのリスク回避の動きで、市場ではネガティブな見方も漂い始めているが、連銀総裁の発言からすると、FRBは景気底打ちを確信し始めているようにも思われる。

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