スポンサーリンク |
【NY市場】ネガティブな統計も原油買い止まらず、後半に円買い強まる
- 記事詳細
-
7日のNY為替市場は、午後になって円買いが強まった。
原油が連日の 最高値更新となっており、市場の注目が集まる中、原油の最も注目度 の高い指標である米週間石油在庫統計がきょう発表された。
結果は原油 在庫が570万バレル増と大幅の増加となり、発表直後、在庫余剰感から 原油は利益確定売りを強めた。
激しい上下動が繰り返されたが、売りが 一巡すると、次第に買いを強めて行き、一時123.80ドルまで上昇、きょうも 最高値を更新した。
原油にとってはネガティブな統計をもってしても、やは り買いは止まらないようだ。
この動きを睨み、株式市場は売りが強まり、このところ買い戻されていた 金融株にも利益確定売りが強まった。
原油高騰による実体経済への影響 が懸念される中、ダウ平均は200ドル超下落、リスク回避の動きが強まり、 為替市場では円買いが強まっている。
基本的にドル買いは継続しており、一方で欧州通貨が下落する中、ユー ロ円やポンド円の下落が激しかった。
また資源国通貨のカナダや豪ドル でさえ、円買いに押され売りが強まるといった状況となった。
◆ドル円104円台に下落 サポートラインは維持 ドル円はドル買い優勢の展開から、105円台を回復してNY時間が始まった。
きょう発表になった非農業部門の米労働生産性が予想を上回ったことで、 ドル買いが強まり、一時105.60近辺まで上昇する場面も見られた。
先週末の米雇用統計発表直後の高値水準に並んだが、レジスタンスも形成 されているようで、上値は抑えられた。
その後、原油の最高値更新を受け、 リスク回避の円買いが強まり、104円台に下落したが、104.70/80水準のサポ ートラインはかろうじて維持した格好となった。
基本的にはドル買戻しの流れは継続しており、上向きと見るが、原油上昇に よる株価の動き次第では、103円台に一時的に下落のリスクも。
◆原油高値更新もユーロ買い見られず 地合いの弱さ示す ロンドン時間に発表になったユーロ圏の経済指標が弱かったこともあって、 ロンドン時間から売り優勢となり、NY時間に入っても、その動きは続いた。
ユーロドルは節目の1.54を再びブレイク、1.5370近辺まで下落している。
午後になって原油が最高値を更新したが、これまで商品市場の動きに連動 性が強かったユーロだが、さほど戻しも見られず、1.54がレジスタンスに変化 したのか、上値を抑えられた。
基調の弱さがうかがえる。
ユーロ円もきのう大口の実需買いも観測され、サポートされた162円をブレイク し、161円台前半まで下落している。
明日はECB理事会が開かれ、政策金利自体は据え置きが予想されてい る。
注目はトリシェECB総裁の会見となる。
原油が最高値を更新する中、 ECBのインフレ懸念は根強く、基本的にはタカ派な会見になることが予想 されるが、このところの弱い景気指標の発表から、景気への懸念も見せる ようであれば、ユーロは敏感に反応する可能性もあり注目したいところ。
◆原油上昇もカナダ円の下落でカナダ軟調 NY時間の午後に入って、カナダは午前の上昇を戻す動きとなった。
原油は 最高値を更新し続けたものの、そのことで、カナダ円が大きく下落しており、 カナダ自体を圧迫。
ドルカナダは、前半にパリティ(1.00)割れを試す動きも 見られたが、結局、朝方の下落を取り戻した。
カナダ円は105円台から103 円台まで下落した。
ただ、原油高騰の動きにカナダの利下げ観測が後退している。
政策金利 に敏感なカナダ国債の短期ゾーン利回りは上昇し、2年債は一時2.88%ま で上昇。
政策金利は現在3.00%で、利下げがあれば2.75%以下になるが、 それを上回る水準に上昇している。

スポンサーリンク |