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【NY市場】 株安で円高・ドル高に
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16日のNY市場は、米株式市場が軟調に展開したことから円高・ドル高の動きだった。
ロンドン市場での円安・ドル安がほぼ解消される往来相場を形成した。
序盤は、米経済指標の発表が相次いだ。
5月の住宅着工件数は53.2万件、住宅建築許可件数 は51.8万件といずれも予想および前回値を上回る強い結果だった。
一方、5月生産者物価指数は予想をやや下回る伸びに留まった。
5月鉱工業生産はマイナス1.1%、設備稼働率は68.3%と予想を下回った。
市場は住宅指標の改善を好感してドル安・円安に反応し、ドル円は97円台回復、ユーロ円135円台前半、ユーロドル1.39台前半まで上昇した。
しかし、市場が注目していたBRICs首脳会談の声明草案で、ドルの役割に関する発表はない、と報じられるとドル安期待が萎んでポジション調整が強まった。
ユーロドルが1.38半前半へと反落した。
NY株式市場でダウ平均がプラス圏で取引を始めたことで再びドル売りの動きがみられたが、値動きは限定的だった。
むしろ、ダウ平均がマイナスへと転じると円高・ドル高へと方向性が変化した。
ユーロドルは1.38台前半へ、ユーロ円は133円台へと反落した。
ドル円も96円台前半へと下落した。
しかし、東京市場での安値水準は割り込まず、調整の動きへと落ち着いた。
株式は引けにかけて一段安、商品市況は上値が重く、債券市場は堅調などリスク回避型のマーケットだった。
株式は序盤に発表された量販店大手ベスト・バイの既存店売上の伸び悩みが市場のムードを悪化させていた。
◆BRICs首脳会談、声明ではドルについて言及せず ロシア、中国、ブラジル、インドの新興4カ国が首脳会談を開催し、市場はドルに代わる準備通貨について声明文に盛り込まれるかを注目した。
東京タイムからロシア大統領が新準備通貨について発言しており、市場はドル売りを強める場面があった。
NY早朝に声明草案が報道され、ドルや国家の枠組みを超えた準備通貨の役割についての言及は無い、との文言があったことでドルを買い戻す動きがみられた。
東京夜半に発表された共同声明では、通貨システムの多様性拡大が必要、との表現に留まり目立った反応は巻き起こさなかった。
ただ、ロシア代表筋は、BRICs首脳や財務省、中銀に対し準備通貨めぐる提案の取り組むように要請した、とも報じられており、ロシアの本音が垣間見られた。
◆ウォーシュFRB理事、ハト派の現状認識 ウォーシュFRB理事のニューヨークでの講演内容が伝わった。
個人消費と設備投資は今後数四半期にわたり低迷へ、失業率は長期にわたり高水準にとどまる、金融情勢は3月中旬以降改善が続いた、輸出が持続的拡大傾向に転じる可能性は低い、危機の緩和は力強い回復を意味するものではない、政府は持続可能な予算を、などハト派の内容が目立った。
また、インフレについては、物価安定が米経済回復のための根本である、最近のインフレ期待は正常化してきている、との認識を示した。
失業率に関しては、株式市場引け後にオバマ大統領がブルームバーグTVでのインタビューで、失業率は年内に10%に達する可能性、と述べていた。
米経済の先行きに対してはやや悲観的な発言が続く一日だった。

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