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【NY市場】ドル高進行、長期債利回り上昇で
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10日のNY市場は、ドル高が進行した。
米長期債利回りが大幅に上昇したことがドル買い材料として注目された。
序盤に発表された4月の米貿易収支は292億ドルの赤字と発表され、ほぼ予想通りの結果だった。
為替市場は反応薄で、ユーロドルは1.41レベル、ドル円は98円近辺を中心としたレンジ相場から始まった。
相場が動き出すきっかけは、米長期債利回りの上昇だった。
きょうは10年債入札が実施されることから市場の関心度が高かった。
利回りが上昇し始めると序盤堅調だった米株式市場がマイナス圏へと転じた。
10年債利回りは一時4%近くまで上昇した。
この動きにドル買いの動きが強まった。
ユーロドルは1.40台半ばを下抜けると下落に弾みが付き1.39台前半まで売られた。
ポンドドルや豪ドル/ドルなど各通貨でドル買いが強まった。
ドル円も98円近辺での揉み合いから98円台半ばまで上伸した。
クロス円は株価が軟調だったことで売り圧力が優勢で、ユーロ円は138円近辺から一時137円割れまで、ポンド円は160円後半から160円割れまで下落する場面があった。
ベージュブックは、一部に回復の兆しが指摘されたが総じて弱い内容で、株安・ドル高を助長した。
しかし、イベントリスクが終了して株式が下げ渋ったことから、終盤はドル買い・円買いに調整が入り、ユーロドル1.40近辺、ユーロ円137円台半ばへと買い戻された。
◆長期債利回り上昇がドル高材料に 長期債利回りの上昇については、様々な材料が指摘された。
ロンドンタイムに報じられたロシア高官が米国債の保有比率を引き下げてIMF債へと転換するとの発言、関連してブラジル中銀がIMFに資金を拠出してIMF債を購入するとのニュースなどが米国債売りを連想させた。
また、ラッカー・リッチモンド連銀総裁の発言が早期の利上げを示唆したと捉えられたことも材料視された。
注目された10年債入札は最高利回りが3.99%、応札倍率は2.62倍、最高利回りでの落札率は46.85%だった。
この結果も債券売りを誘い、発表後に利回りが4%近辺まで急上昇した。
原油先物が71ドル台と7ヶ月ぶりの高値水準で推移したこともインフレ懸念による金利上昇の材料とみられていた。

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