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中国が提案した超国家通貨の行方
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中国人民銀行の周小川総裁は、3月23日、米ドル中心の国際通貨体制の見直しを求める論文を発表しました。
論文では、基軸通貨国(米国)だけでは十分な流動性を提供することと、通貨を安定化させることは両立できないし、解決策として、「スーパーソブリン(超国家)準備通貨」の創設を提案しています。
スーパーソブリン準備通貨の具体策としては、国際通貨基金(IMF)の資産である特別引き出し権(SDR)を活用し、SDRの構成通貨と組み入れ比率を見直すことを提案しています。
SDRとは、IMFが創設した擬似的な通貨(資産の一種)です。
SDRが創設されるまで、各国通貨の為替レートは、米ドルと固定され、米ドルは金の価値と固定されていました。
いわゆる固定為替相場制です。
しかし、米ドルや金の供給量が、経済発展のスピードに追いつけず、結果として為替や景気を不安定にする可能性が高まってきました。
そこでIMFは、固定為替相場制を維持するためのツールとして、金や米ドル以外に富を蓄積するための資産としてSDRを創設し、IMF加盟国が利用できるようにしました。
SDRの価値は、創設当初、1SDR=1米ドル(純金0.888671グラム相当)と決められました。

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