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【NY市場】米銀国有化観測で、ドル売り強まる
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20日のNY市場は、米銀の国有化観測が強まったことをきっかけに、ドル売りが強まった。
早朝に発表された米消費者物価指数は前月比+0.3%、前年比変わらずとインフレ低下圧力の緩和が示される結果だった。
しかし、市場は反応薄だった。
株式市場では米銀の国有化観測が広がり、ダウ先物先物が150ドル安水準へ軟調に推移、NY市場オープンと同時に各株価指数が大幅安となった。
市場ではリスク回避的な動きが目立ち、逃避通貨としてのドル買い、安全資産としての金買い、原油安などの圧力がみられた。
金先物は1000ドル台に乗せる動きがみられた。
ただ、為替市場はこの段階では小動きで、ドル円94円台半ば、ユーロドル1.26台前半、ポンドドル1.43近辺での取引が続いた。
クロス円も株式市場の動きにつれて、ユーロ円118円台、ポンド円134円台での振幅となっていた。
市場が大きく動き出すきっかけとなったのが、ドッド上院委員長、米銀の国有化の可能性を示唆する発言報道。
ドル売り方向への急速なポジション巻き戻しが誘発された。
ストップがストップを呼ぶ形で、ユーロドルは1.2650超えから一気に1.28台へと上伸した。
また、勢いが強かったのがドルスイスで、1.18近辺から一気に1.15近辺へと値を飛ばした。
ドル円も94円割れから93円台半ばへ下落した。
株式市場も大荒れで、ダウ平均は一時200ポイント超下落して7200ドル台へと突入、ザラ場で2002年10月以来の安値を記録した。
しかし、米政府が民間の金融システムが正しい方向性と確信、金融システムが十分に監督されることを確実に、とのコメントが報じられると大幅安だった米金融株が急速に買い戻された。
一時20%超安だったバンカメがプラス圏を回復する場面もあった。
ナスダックやダウ平均がプラス圏となる動きもあった。
ドル円は一時92円台半ばまで下落していたが、93円台前半へ反発。
ユーロドルも1.28台後半から前半へとドル売り一服となった。
米財務省が金融安定化策の一部詳細を来週公表へ、との報道も市場に好感された。
ただ、引けにかけては再び株価が軟調になり、為替相場もドル安圧力が残存する形で取引を終了した。
クロス円は株価に反応して方向性に欠けた神経質な動きだった。
ユーロ円は118円台半ばから一時120円近辺へ上昇した。
ポンド円は133円台後半から135円台半ばでの振幅相場が続いた。
豪ドル円は59円台後半から60円台後半での神経質な値動きだった。
相場全体では、今週のドル買い傾向に大きな調整が入った形で、特にユーロドルは前週末の水準に戻す展開だった。
ドル円も94円台半ばの重さが確認された。
◆週末のポジション巻き返し、各通貨でスピード差も NY市場中盤からは、ドル売りが動きが一気に強まった。
ただ、各通貨によってその値動きの大きさには差があった。
欧州通貨の中では、ドルスイスが下げ幅が最も大きく、1.18近辺から1.14台後半へと300ポイント超の下げだった。
次いで、ユーロドルが1.26台半ばから1.28台後半へと200ポイント超の上げ。
ポンドドルが最も小幅で、1.43近辺から1.44台後半と200ポイント弱だった。
スイス高が先行したのは、ユーロ買いスイス売りのポジション調整が加わったことが指摘されよう。
また、ユーロ売りポンド買いも巻き返されるなど、クロス取引を含めたポジション調整が活発となった。
ドル円はやや遅れたタイミングで下げ幅を拡大したが、94円台半ばから92円台半ばへと200ポイントの下げ幅を演じた。
その他、ドルカナダや豪ドル/ドルなどは比較的小幅の動きだった。
いずれにせよ、各通貨ペアで今週のドル買いの流れが、数時間で消される激しい展開となった。

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