先物取引(さきものとりひき)とは
先物取引(さきものとりひき)とはいわゆるデリバティブ(派生商品)の一つで、価格や数値が変動する各種商品・指数について、未来の売買についてある価格での取引を保証するものを言う。売買の当事者が任意に期日を決め全量を受け渡すことを約する契約(先渡し契約)とは異なり、先物取引では市場が期日(取引最終日・納会日)を決め納会日までに反対売買により差金決済することが特徴である(現物の受渡しにより代替することを認めるものもある)。対義語は現物取引・実物取引。
1531年にベルギーで世界初の先物取引市場が開設される。1730年には大阪で世界初の公設先物市場、堂島米会所が誕生する。
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概要
本来は、価格変動の影響を避けるための手段(リスクヘッジ)として利用されるが、価格変動を利用して利益を得るスペキュレーション(投機)取引というものがあり、以下のような場合に、その差額を利益として得ることが出来る。
- 今後の価格の上昇を予想して商品を購入し、実際に商品価格相場が上昇して売却した場合。
- 今後の価格の下落を予想して商品を売却し、実際に商品価格相場が下落して買い戻しを行った場合。
現物を持ち寄らずに、紙上や電子的に取引を行うため、市場(いちば)よりも大規模な取引を行なうことが可能で、商品を取引する上での世界的な価格指標となる。
実物取引と清算取引
株式市場には、かつて長期清算取引があったが、この取引は個別株式の3ヶ月以内の3連続限月制の先物取引であった。現行の先物取引は、第二次世界大戦後のアメリカの制度を見習い、「実物取引」と「清算取引」の区分を踏襲しながら、長期清算取引については Futures を訳して「先物取引」と呼んでいる。
「実物取引」と「長期清算取引」の中間位置に存在したものとして、期日到来後も30日以内に限って受渡し又は差金決済を繰り延べることが可能な「短期清算取引」がある。日歩(又は逆日歩)とスワップ金利、取引所取引と相対取引、などの違いはあるが、類似の繰り延べ取引(ロールオーバー制度)として「外国為替証拠金取引」が存在する。
証拠金取引
先物取引の一般的な特徴として「証拠金取引」制度がある。これは、購入もしくは売却する先物の表示する原資産価額(単価×数量)の全額は不要で、市場が指定する一定量額の証拠金を担保にして取引が出来るというものである。先物取引市場は実物市場の価格変動を回避するための保険(リスク・ヘッジ)として設計されており、証拠金は実物(原資産)の価格変動に見合う保険金・担保金の性格を持つ。反対売買のさいには差し入れた証拠金の差額調整により決済(差金決済)され、取引所が設計した価格変動幅(値幅)を越える価格変動が生じた場合、証拠金は清算機関に差し押さえられ強制決済か追加保証金の納入を求められる。
先物取引を専門におこなう場合、証拠金システムによりレバレッジ(てこ)効果が生じ、株式の信用取引などと同じように、用意する現金に比べて大きな利益、大きな損失が生じやすく、投資額からみるとハイリスク・ハイリターンな取引であるといえる。先物取引に関して、想像以上の損失をこうむってしまう投機家が多いのは、このためである。取引所の取決めによっては投資額以上の負債を抱えることもある。
取引方法
前提条件: 現物市場価格と先物市場価格は、常に同一(金利は考慮しないとする)
リスクヘッジ (条件 その1)
- 例えば、大規模な牧場があったとする。
リスクヘッジ (条件 その2)
- 例えば、大規模な農場があったとする。
投機
投機を行う者にとっては、前述のリスクヘッジ目的の取引の場合と異なりその商品自体が重要なわけではない。取引参加者は、商品価格を左右するような情報を手に入れるなどして将来の価格を予測し、先物取引によって利益を得ようとする。取引手法はリスクヘッジ取引と同じで、先物の購入または売却を行い、期限前に反対売買をすることで差金決済する。
投機が存在することにより、先物市場の取引規模は増大し流動性が高まる。また、結果的には、大小様々な情報を価格へ織り込む役目を行なっていることになる。これにより、先物市場の有用性が高まるが、一方でレバレッジを活用した巨額の取引により、意図的に価格を吊り上げたり、逆に売り崩したりする場合があり、市場の混乱の一因ともなる。
種類
日本の公設先物取引には以下の種類がある。
- 商品先物取引(商品取引)
- 金融先物取引
- 国債先物取引
- 株価指数先物取引(日経平均先物など) 特に日経225先物取引
- 長期清算取引(1945年8月まで取引されていた国内個別株式の先物取引)
また、証拠金取引として取引システムが類似したものとして外国為替証拠金取引(FX)が存在するが、FXは直物為替先渡取引(先渡し契約:forward)であり先物取引(futures)ではない。外国為替先物の国内取引所はなく、国際的にはシカゴ・マーカンタイル取引所の為替先物が利用される。
関連項目
- 商品取引所法
- 金融工学
- 投資 ←→ 投機
- 大逆転 - 先物取引を物語に絡めたコメディ映画
- 賭博及び富くじに関する罪
- 長期清算取引←→短期清算取引
- 定期取引
- 清算取引
- 銘柄別清算取引
- 株ニート
- デイトレーダー
- 帳合取引(現金決済先物取引)
- 正米受引の仕法(赤間関諸荷物会所(関門商品取引所のルーツともいえる山口県下関市にあった米会所)において、文久3年(1863年)からはじめられた現物先物取引)
- 先物取引所の一覧
外部リンク
- 先物取引 - 金融広報中央委員会
先物取引の書籍検索結果
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