不動産投資信託(ふどうさんとうししんたく)とは
REIT(Real Estate Investment Trust、リート)とは不動産投資信託をいう。日本版REIT(J-REIT)のことを単にREITと指す場合がある。
目次
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REITの法的構造
REITは、投資信託及び投資法人に関する法律(以下「投信法」という)に基いて組成される。REITの形態としては、投資信託及び投資法人の2つがある。この2つを契約型及び会社型と表現することもあるが、法的に正確な表現ではない。
2007年現在、日本の証券取引所に上場されているREITは全て投資法人型の形態を選択しているが、投資信託型での上場も法的には可能である。
「投資信託」とは、投信法第2条3項によると「委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託」の2つを指す。委託者指図型投資信託とは信託財産を委託者の指図に基づいて主として有価証券、特定資産に対する投資として運用することを目的とする信託であつて、かつその受益権を分割して複数の者に取得させることを目的とするものをいう(同法2条1項)。これに対して委託者非指図型投資信託とは、一個の信託約款に基づいて受託者が複数の委託者との間に締結する信託契約により受け入れた金銭を合同して、委託者の指図に基づかず主として特定資産に対する投資として運用することを目的とする信託をいう(同法2条2項)。
「投資法人」とは、資産を主として特定資産に対する投資として運用することを目的として、この法律に基づき設立された社団をいう(同法2条19項)。
REITの金融商品としての側面
「REIT」は不動産からの収益を投資家へ還元する金融商品のうち、とくにその受益権が証券として扱われる不動産特定目的会社、及びこの会社が発行する証券を指すこともある。REITの日本語訳を「不動産投資信託」とするのは解釈が広義すぎる可能性がある。なぜなら「投資信託」には、証券市場という公開マーケットで取引される上場された証券のほか、非上場のREITや銀行が個別に企画・販売する多種多様な「不動産投資信託」商品があるためである。これらと「上場不動産特定目的会社株」としての「リート」とは区別されたい。
REITとして設立された「特定目的会社」は、法人税を免除されるかわりにその業務内容や会社の運営に法的な制限がある。具体的には会社の営業項目が不動産運営に関するものに制限され売却を目的とした不動産の開発・分譲が原則できないこと、投資者への収益還元割合の下限設定などがある。REITと一般の株式会社の主な違いは、高配当義務とひきかえに法人税が優遇される点である。上場されたREIT株は市場において取引される。REITの収益の大半が保有不動産の家賃による。そのため一般の株式にくらべて大幅な配当増、証券価格の乱高下は期待しにくい。一方、不動産賃貸契約は一般的に安定しておりリスクが小さいとみなされている。そのため投資家のポートフォリオのリスク分散に貢献する新たな投資先(financial vehicle)として認識されつつある。
日本におけるREIT
日本におけるREITは2001年に2銘柄でスタートし、その後ほぼ順調に拡大し2007年2月末現在で41銘柄、時価総額は5兆円に達している。時価総額の規模で米国、豪州、フランスに次ぐ規模になっているが対GDP比ではシンガポールや香港等よりも依然低い水準にある。
投資物件については当初はオフィスビルが主体であったが次第に商業施設・店舗や住宅等への投資も増加しており、2006年現在においてオフィスビルの占める割合は57%にまで低下し商業・店舗が20%、住宅が18%、その他5%となっている。米REITの投資物件はさらに多様であり、J-REIT市場においても今後投資物件の多様化が進むものとみられている。
現在課題点として挙げられるのが運営・設立母体が自社でも不動産事業を手掛けているケースが非常に多いため物件取得価格の妥当性や優良物件の母体企業による囲い込み等の利益相反が生じる恐れがあり、一部では既に行政処分が為されたケースもある。実際に主要なJ-REITは下記の通り母体企業からの物件取得が中心となっており、資産内容の第三者によるチェック機能の充実が急務と考えられている。
J-REIT(不動産投資信託)銘柄一覧
- 日本ビルファンド投資法人(8951)
- ジャパンリアルエステイト投資法人(8952)
- 日本リテールファンド投資法人(8953)
- オリックス不動産投資法人(8954)
- 日本プライムリアルティ投資法人(8955)
- プレミア投資法人(8956)
- 東急リアル・エステート投資法人(8957)
- グローバル・ワン不動産投資法人(8958)
- 野村不動産オフィスファンド投資法人(8959)
- ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)
- 森トラスト総合リート投資法人(8961)
- 日本レジデンシャル投資法人(8962)
- 東京グロースリート投資法人(8963)
- フロンティア不動産投資法人(8964)
- ニューシティ・レジデンス投資法人(8965)
- クレッシェンド投資法人(8966)
- 日本ロジスティクスファンド投資法人(8967)
- 福岡リート投資法人(8968)
- プロスペクト・レジデンシャル投資法人(8969)
- ジャパン・シングルレジデンス投資法人(8970)
- ケネディクス不動産投資法人(8972)
- ジョイント・リート投資法人(8973)
- ラサール ジャパン投資法人(8974)
- FCレジデンシャル投資法人(8975)
- DAオフィス投資法人(8976)
- 阪急リート投資法人(8977)
- アドバンス・レジデンス投資法人(8978)
- エルシーピー投資法人(8980)
- ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人(8981)
- トップリート投資法人(8982)
- クリード・オフィス投資法人(8983)
- ビ・ライフ投資法人(8984)
- 日本ホテルファンド投資法人(8985)
- リプラス・レジデンシャル投資法人(8986)
- ジャパンエクセレント投資法人(8987)
- 日本アコモデーションファンド投資法人(3226)
- MIDリート投資法人(3227)
- 日本コマーシャル投資法人(3229)
- 森ヒルズリート投資法人(3234)
- 野村不動産レジデンシャル投資法人(3240)
- スターツプロシード投資法人(8979)
- 産業ファンド投資法人(3249)
※2008年2月現在
米国におけるREIT
- REITは1960年にアメリカ合衆国で導入された。信託を導管(SPVと呼ばれる)として二重課税を回避する商品となっている。形式には契約型と会社型の2つがありうるが、多くは会社型で上場されている。株式会社の株式に相当する投資口を時価で市場で購入することができる。このほか社債の発行を行うこともある。このほか銀行など金融機関から融資を受けることもある。このようにして証券市場を通じて投資家から集めた資金と銀行など金融機関から借り入れた資金をオフィスビルを始めとする不動産などに投資し、売買益や賃借料などの収益を投資口を購入した投資家に分配する形態をとる。
- 投資物件はオフィスビル、小売店舗がそれぞれ4分の1程度を占めるほか医療施設・病院やリゾート施設等もそれぞれ5%程度を占めるなど多様である。
- REITの対象不動産に関する収益の確保、運営、管理、改修・模様替工事等の統括的なマネジメントを具体的に行っているのがビルマネジメント(ビルマネ)事業、またはプロパティマネジメント(PM)事業であり、REITの将来的な価値を評価する上で重要である。
REITに関する税制の国際比較
- 米国では内国歳入法典856条以下の規定により課税所得の90%以上を投資家に分配する等の適格要件を満たせばREIT段階での連邦法人税が課せられず、投資家段階のみの課税で済む(法人としての利益課税と利益の配当を受け取った者に対する課税との二重課税が避けられる)とされている。あたかも投資家が直接に投資額に応じて投資対象物件を保有したのと同一の経済的なメリットが受けられるとされている。
- 日本のJ-REITについての課税上の取扱いは米国のそれと似ており、ペイ・スルー課税だとされる。REITの配当可能利益の90%超を投資家に分配することと、決算期末において3人以下の投資家の取得が発行済み投資口の50%未満にとどまることを条件に、その分配に充てる所得の損金算入を認めるというものである(租税特別措置法67条の15)。
- なお二重課税を回避する方式としてはペイ・スルー課税方式のほか、発生する所得をそのまま構成員に渡すことで導管をそもそも課税対象とせず構成員課税のみを行うパス・スルー課税方式がある。
売買など
株式と同じように証券取引所に上場され、証券会社を通じて売買が可能。
関連事項
- RIC
- FASIT
- REMIC
- 不動産証券化
- ビルマネジメント
- プロパティマネジメント
- アセットマネジメント
- ファシリティマネジメント
- 日本リテールファンド投資法人
- イオングループ
- 森トラスト
- TSK・CCCターミナルビル
外部リンク
- 不動産投資信託銘柄(野村證券)
- JAPAN-REIT.COM(J-REITに特化したポータルサイト)
関連法規
- 投資信託及び投資法人に関する法律
- 投資信託及び投資法人に関する法律施行令
- 投資信託及び投資法人に関する法律施行規則
- 租税特別措置法
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