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保証人

保証人(ほしょうにん)とは、

  • 民法では、保証債務を負う人をいう。
  • 一般には、身元などを保証する人をいう。
  • なお、日本以外の諸外国では保証人制度はまず見られず、特に連帯保証人は日本以外にはない制度である。保証人になることは大きなリスクを伴うため、どんなに親しい友人や親族に頼まれても可能な限り保証人にならないことが大事である [1]。

    • 民法について以下では、条数のみ記載する。

    目次

    • 1 民法上の保証人
      • 1.1 保証契約
      • 1.2 保証人の種類
      • 1.3 共同保証
    • 2 一般的に保証人といわれているもの
    • 3 身元保証
    • 4 公務員
    • 5 保証人という慣習の問題点
    • 6 脚注
    • 7 関連項目
    //

    民法上の保証人

    保証人とは、主たる債務者がその債務を履行しない場合にその履行をなす債務(保証債務)を負う者をいう(446条)。

    保証契約

    保証は、債権者(貸主等)と保証人との間の契約(保証契約)によってなされる。その前提として、主債務者(借主等)と保証人との間の保証委託契約(債務者が保証人に保証契約の締結を委託する契約)が締結されることが多い。

    保証人は、基本的にだれでもなることができる。

    ただし、法律や契約上、主債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、保証人は、資力のある一般成人(行為能力者)でなければならない(450条1項)。もっとも、債権者が保証人を指定する場合には、未成年者等の制限能力者や、資力のない者でもよい(同条3項)。

    主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる(457条)。

    保証人の種類

    • 単純保証
    通常の保証人には催告の抗弁権と検索の抗弁権が与えられる(452条、453条)。
    • 連帯保証
    連帯保証人には、催告の抗弁権と検索の抗弁権はなく、債務者と全く同じ義務を負う(454条)。 連帯保証人であれば、借りた本人と同等の地位となるため、借りた本人が理由の如何にかかわらず返済を拒否した場合や借りた本人の返済状況によっては連帯保証人にいきなり返済を求めることも可能となる。一般に、貸金での保証人となることは自分が借りたことと同等であるといわれるゆえんである。 銀行や消費者金融、信販会社、奨学金などでお金を借りるときや契約書型クレジット(個品割賦購入あっせん取引)の割賦契約の保証人は、連帯保証人が求められることがほとんどである。これは、単なる保証人では催告の抗弁権や検索の抗弁権が存在してしまうからである。催告の抗弁権は、借りた本人に金を返すように連絡をすることを要求することで、検索の抗弁権は、借りた本人に返済可能な資産がないかどうか確認、あれば執行することなどを要求するものである。これを利用されると、夜逃げした本人を探したり、話をしたりする必要があり面倒なため、連帯保証人を利用する。銀行から融資を受ける場合、信用保証協会の保証を連帯保証人に代える場合もある。
    • 根保証
    根保証(ねほしょう)とは、将来発生・増加・減少する不特定の債務を一定の限度額まで保証するものをいう。 一般的な保証債務であれば、5000万円借りた後、主債務者が2000万円返済すれば、保証人はそれ以降3000万円分の返済を保証すればよいこととなる。また、この後本人が追加で1000万円借りたとしても、新たに借りた1000万円については保証する義務はなく、当初の借り入れ残額の3000万円に対する債務を保証するのみでよいこととなる。 しかし、5000万円の根保証であれば、主債務者が2000万円返済後、新たに1000万円追加で借りた場合、保証人は、4000万円の債務に対して保証することとなる。根保証は、限度額を常に保証するだけの資産を持っている者のみが保証人になるべきであるという意見がある。

    共同保証

    保証人を複数設定することを共同保証という。詳しくは保証内の共同保証を参照のこと。

    一般的に保証人といわれているもの

    • 婚姻時には、偽装結婚でないことを証明するために、2人の証人が必要である(739条2項)。なお、この証人は金銭的な義務は負わない。
    • 賃貸住宅を借りる場合、保証人が必要になる場合が多い。ただしウィークリーマンションでは不要の場合も多い。都市再生機構のUR住宅(旧公団住宅)では、「連帯保証人不要」をセールスポイントにしている。
    • 高校、大学、大学院、専門学校等に入学する際・企業に入社する場合に、身元保証人が必要になる場合がある。
    • 奨学金を貸与される場合に、連帯保証人を求められる場合がある。

    身元保証

    身元保証とは、従業員の行為によって雇い主が損害を受けた場合に第三者が賠償することを約束する、雇い主と当該第三者との間の法律関係であり、身元保証契約によって生じる。この契約によって賠償責任を負担する者を身元保証人と呼ぶ。

    この慣習・制度の問題点については人権問題といってよく、時々新聞などのマスメディアでも取り上げられるが、制度そのものは放置され、適当に処理されてしまっているのが現状といえよう(後述の通り、身元保証ニ関スル法律には罰則規定が存在しない)。

    就職時の保証人について、労働基準局に相談が寄せられることもよくある。保証人は法律で義務付けられているものではなく、拒否しても違法ではない。ただし、会社側が新入社員に保証人を求めることを禁止する法律もない。そのため、両者間での話し合いということになるが、実際に入社を断られたりするケースもある(保証人がいないことを理由に入社を断っても現行の法律上違法ではない)。

    保証人の印鑑証明を提出させる会社もあり(金融関係に散見される)そこまでは出来ないとして会社側と話し合った結果、入社を辞退したケースもある。

    身元保証人の責任が過重なものとならないよう身元保証ニ関スル法律(昭8法42、[1]。以下「法」と略す)により期間などの限度が定められているものの、銀行での横領事件などの場合は数億円もの金額が請求される場合もあり、身元保証人になることは非常にリスクが大きい。

    雇用側が身元保証人に損害賠償を請求するには、身元保証人となっている人物に業務内容、異動情報などを通知しなければならない(法3条)。ただし、通知等を行っていれば損害賠償を請求することはでき、実際に会社の金を横領した社員の保証人に損害賠償請求をしたケースは多数ある。

    一度提出した身元保証書の有効期間は長くとも5年まで(法2条。但し明記を要する。されていない場合は3年間)。だいたい、入社時に提出したらその後は出さない企業が多いが、中には5年毎に再提出させ更新している企業もある。厳密にこの制度を運用した場合、5年毎に更新する義務が発生する。すでに長年勤めている社員が保証人を用意できず、解雇されることがあれば人権問題であるが、そういった訴訟や判例がほぼない。現行法上、提出拒否も提出拒否を理由とした解雇もどちらも合法とみなされるためで、実際にトラブルがあった場合はその都度司法の判断を仰ぐしかない。

    また、入社して10年以上経過し、継続的な横領が発覚した社員でも最初の横領が5年目未満の時期であれば身元保証人に賠償請求が行く場合もある。

    公務員

    かつて、地方自治体(市など)の中には、その市内に住む人を保証人に立てなければならないという規定を持っていたところも多かった。事実上、その土地にゆかりのない人が受験できないようにしていたのである。 現在もそういった規定がある自治体は多い。原則としてその自治体居住者の保証人を求めるが、特別に認められた場合は他自治体の居住者でもよいとしている自治体もある。

    保証人という慣習の問題点

    保証人制度について 保証人のなり手が見つからずトラブルになるケースもないではないが、訴訟になったりするケースはほとんど発生していない。高校入学の際の保証人がいないケースでも(保証人を2人要求され、保護者以外に親族がいないケース)教職員が自分の名前を書き込んだりして処理してしまうケースもあり、トラブルが表面化していない。身元保証ニ関スル法律に罰則規定が存在しないためで、保証人がいないことを理由に何らかの形で人権侵害を受けても、現行の法律上違法とされず、逆に合法とされる。結果、トラブルが発生した際にはその都度司法の判断を仰ぐ事になるが、過去の判例でも、司法判断は一定していない。このため人権問題として取り上げられる事も多いが、制度及び身元保証法の見直しの声はほとんどあがっていない。ただ、身元保証法が1933年に制定された戦前の法律である事から、今後この問題は立法府である国会の裁量に委ねられる事になると思われる。 今後、少子化により兄弟、親戚の数が少なくなれば、保証人を頼める人がいなくなり、今後問題が発生する可能性は小さくないといえよう。実際に、身寄りがない人が入社を断られたり、住居を借りることが出来ないケースも多い。とくに、後者の住居を借りられない、という事は「住所が無い(住民票が存在しない)」という事で実質的に就職も不可能となり、ホームレスやいわゆる「ネットカフェ難民」に陥る一因ともなっている。 連帯保証人について 連帯保証人の場合は人権問題として、古くから見直し要求の声が起こっている。もともと連帯保証制度が、欧米では保証人の権利を大きく剥奪する物であるとして認められていないためである。連帯保証人にはその数に応じて分割された部分の債務を負担する、分別の利益が認められていない。しかも、各連帯保証人は債務の全額について責任を負う事が義務付けられている(これを保証連帯という)。さらに連帯保証人には催告の抗弁権と検索の抗弁権も認められていない。このため、連帯保証制度自体、人質制度となんら変わらないと、批判する意見もある。

    脚注

    [ヘルプ]
  • ^ 消費者教育の一環として、保証人になることのリスクの啓発が進められている。 金融広報中央委員会発行 教材『きみはリッチ? ―多重債務に陥らないために―』第7章「保証人のはなし」、2007年10月改訂、2008年5月6日閲覧。
  • 関連項目

    • 民法
    • 債権
    • 保証
    • 信用保証
    変更履歴
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