| スポンサードリンク |
仙台経済圏
仙台市 > 仙台経済圏
仙台経済圏(せんだいけいざいけん)とは、仙台市都心部あるいは仙台都市圏の小売商圏(買回品・専門品)をベースにした経済地域のこと。
目次
|
概説
仙台市に所在する国の出先機関や企業の東北支店などの業務管轄地域、あるいは流通企業の卸売商圏が東北地方全体に及ぶのに対し、従来、仙台の小売商圏(仙台経済圏)は宮城県内に限られてきた。ところが2000年代に入ると、高速バスの発達による東北地方の陸上交通の再編が発生し、仙台経済圏は南東北3県の県庁所在地を包含して[1]、宮城県を中心に福島県・山形県・岩手県に広がった。仙台から100km圏では、ETC割引制度の登場も影響を与え、仙台から2時間圏(道路経由。人口480万人[2])では、一体化と仙台一極集中の傾向が強い。さらに、2時間圏の外側からの流入増加も見られ、圏域の拡大傾向も呈する[3]。
政治的には、南東北中枢広域都市圏構想推進協議会(1991年1月〜2007年3月末)、仙台・やまがた交流連携促進会議(2002年〜)、仙台市・山形市・福島市の南東北3県都による「広域観光連携の推進に関する三市協定」(2006年5月26日〜)、時限的ではあるが「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン[4]」の協議会に宮城県外の自治体の参加が見られる[5]など、県境を超えた連携がある。
仙台経済圏は、物販・サービスの圏域であるが、圏域全体を放送対象地域とするテレビやラジオの放送局がない。また、定期・不定期の東北6県ブロックネット放送はあるが、仙台経済圏の領域より大きかったり、番組内容のターゲット層と広告戦略とのミスマッチがあったりする。そのため、仙台経済圏の情報流通は、紙メディアが中心となっている。
仙台経済圏は、「仙台圏」「仙台商圏」、または、最も関係の深い仙台市と山形市の名前をとって「仙山圏」「仙山交流圏」などとも呼ばれるが、ここでは「仙台経済圏」に統一する。
定義
仙台・山形都市軸
- 仙台・やまがた交流連携促進会議(地図と人口統計)
宮城県仙台地方振興事務所(仙台都市圏144万人)と山形県村山総合支庁(村山地方-山形都市圏58万人)で「仙台・やまがた交流連携促進会議」を結成。対象地域の名称は「仙台・山形都市軸」。対象地域の人口は202万人。
南東北中枢広域都市圏
- 1991年1月、南東北3県都を中心とする「広域都市圏」を形成するために「南東北中枢広域都市圏構想推進協議会」を結成。南東北3県(宮城県・山形県・福島県)、南東北3県都(仙台市・山形市・福島市)、経済4団体(東北経済連合会、宮城県商工会議所連合会、山形県商工会議所連合会、福島県商工会議所連合会)で構成。
- 1994年6月、マスタープランとなる「南東北中枢広域都市圏構想〜南とうほくSUNプラン」を策定。対象圏域は、南東北3県都とその周辺地域であり、宮城県は中部および南部、山形県は村山地方全域および置賜地方東部、福島県は中通り北部および浜通り北部が含まれる。対象人口は334万人。
- 1998年6月、「アクションプログラム」を策定。
- 2007年3月末、南東北に広域都市圏の形成が進んでいると評価され、協議会は活動終了[6]。
南東北中枢広域都市圏を構成する主な都市雇用圏(2000年)
| 都市圏 | 人口 | 都市圏 | 人口 | |
| 仙台都市圏(県央) | 1,555,691 人 | 米沢都市圏(置賜) | 141,889 人 | |
| 山形都市圏(村山) | 475,546 人 | 原町都市圏(浜通り) | 75,020 人 | |
| 福島都市圏(中通り) | 412,353 人 | 東根都市圏(村山) | 74,364 人 | |
| 石巻都市圏(県東) | 207,558 人 | 白石都市圏(県南) | 54,338 人 | |
| 古川都市圏(県北) | 169,910 人 | 南陽都市圏(置賜) | 36,189 人 |
「仙台経済界」による定義
経済雑誌である「仙台経済界」による「仙台経済圏」の定義は、仙台都市圏に買い物に来る主要都市となっている。具体的には、宮城県全域、山形市、福島市、郡山市であり、合算すると324万人であるが、切れのよさから「仙台経済圏300万人の情報誌」と銘打っている。
別冊の「仙台商圏」の取材対象地域は、宮城県、および、隣接県の岩手県(盛岡・一関・水沢)、山形県(山形・天童・上山・庄内)、福島県(福島・郡山・いわき)。
「全国幹線旅客純流動調査」に基づく地域ブロック
都道府県間流動国土交通省「全国幹線旅客純流動調査」(都道府県間流動)に基く仙台市の地域ブロックは福島・宮城・山形・岩手の4県で、後背人口は約700万人[7]。
(参考)生活圏間流動国土交通省の「全国幹線旅客純流動調査」に基づく仙台(広域仙台都市圏+仙南圏=黒川郡以南の宮城県)を目的地あるいは旅行先とする生活圏は、以下のようになっている。ただし、同調査では同じ都道府県内の生活圏へのデータがないため、それらを除く。
※207地域生活圏(2006年3月末現在) ※東北地方は白地で、番外も含めて全生活圏を記載。関東地方は「■」、それ以外は「■」。 目的地:仙台[8]- 仙台が目的地の1位である生活圏は赤字、2位の場合は緑字
|
|
|
- 仙台が旅行先の1位である生活圏は赤字、2位の場合は緑字
|
|
|
その他
- 仙台の2時間圏の人口は480万人(2001年。NAVINET 道路・船舶モード)[2]。
- 東北地方を「仙台についていく地域と、それ以外の地域」の2つに分ける見方[10]では、「それ以外の地域」にあたる郡山経済圏(100万人)といわき都市圏(35万人)を除いた、東北5県と福島県北部が仙台経済圏と見なされる。この場合の人口は約820万人。
- 仙台所在の「仙台支店」(あるいは東北支店)の業務管轄地域を「仙台経済圏」とみる例もある[11]。東北地方の人口は約960万人。
通勤・通学圏としての仙台経済圏
仙台経済圏は、通勤・通学圏としても定義することができる(「大都市への通勤・通学人口図」総務省統計局)。他の市町村から仙台市への通勤・通学者約13万人であり、そのうちの25%以上は仙台市の10%都市圏の外からの通勤・通学者である(2000年)。(仙台市への通勤・通学による流入人口は、合計 130,819人。 うち「10%都市圏の外」からの流入は 32,827人)
- 「仙台市への通勤・通学人口」(地図)
10%都市圏の外にある主な都市から仙台市への通勤・通学(2000年)[1]
| 都市 | 流入 | 流出 | 距離 | 鉄道 | 高速バス | ETC | |
| 古川市 | 2,883 人 | 1,261 人 | 43km | 新13分、1,255円 | 約60分、750円 | 28分、650円 | |
| 石巻市 | 2,593 人 | 1,192 人 | 50km | 快64分、 526円 | 約60分、700円 | 39分、950円 | |
| 白石市 | 1,982 人 | 632 人 | 45km | 新15分、1,184円 | - | 25分、500円 | |
| 角田市 | 1,600 人 | 472 人 | 40km | 45分、622円 | - | (複数経路) | |
| 福島市 | 1,551 人 | 681 人 | 80km | 新27分、1,594円 | 約70分、650円 | 46分、950円 | |
| 山形市 | 1,418 人 | 1,054 人 | 60km | 快65分、 655円 | 約50分、682円 | 41分、800円 |
仙台市への通勤・通学(2000年)
| 仙台市へ流入 | 仙台市から流出 | |
| 合計 | 130,819 人 | 48,823 人 |
| 宮城県内他市町村 | 119,193 人 | 43,146 人 |
| 他県 | 11,626 人 | 5,677 人 |
| うち 福島県 | 4,596 人 | 1,584 人 |
| うち 山形県 | 2,738 人 | 1,485 人 |
| うち 岩手県 | 1,788 人 | 764 人 |
福島市と仙台市との間には、東北新幹線・東北本線・東北自動車道・国道4号、南相馬市と仙台市との間には常磐線(特急あり)・国道6号などの交通がある。山形市と仙台市との間には、従来の仙山線(快速まで)と国道48号・国道286号に加えて、山形自動車道と高速バスの利用が可能となった。
仙台経済圏の交通環境の変化
JRは、東北新幹線を利用した東京への遠距離大量輸送には、CMをうったり新車両を導入したりして積極的な投資をしているが、仙台経済圏内の在来線には積極性がなかった。また、安価な都市間移動を担っていた「高速バス」が、長年寡占状態であったため、運賃の値上げはすれどもサービスはよくならないような状況が続いていた。
そんな中、1999年3月の高速バスの仙台〜福島線開設以後、仙台を目的地とする近距離都市間高速バスの新設・増便・値下げ競争が続き、それにJRが回数券より安い特別企画乗車券で対抗した。さらに、ETCの通勤割引が出来たため、通勤・通学客のみならず、買い物客にまで影響を与える大規模な陸上交通の再編が起きた。この再編によって仙台経済圏は拡大し、飲み込まれた都市圏や地域圏では、既存の圏内中心部に向かう一般バス路線網が仙台に向かう高速バス路線網に置き換えられてきている。地域圏の廃止された一般バス路線には、ダウンサイジングしたコミュニティバスや乗合タクシーなどが導入された。
他方、東京〜仙台間に「ツアーバス」(路線バスではなく、観光バスを使う旅行商品の扱いとなる)が運賃を大幅に値下げして参入したことにより、「高速バス(路線バス)」とJRとの三つ巴のシェア争いが起こっている。
結果的に、おおまかに言って現在の仙台経済圏の交通環境は、
- 仙台都市圏内: 自家用車、鉄道(地下鉄・JR在来線)、路線バス
- 仙台経済圏内: 高速バス、自家用車(ETC通勤割引)、鉄道(新幹線・在来線)
- 仙台経済圏外: 高速バス、新幹線、自家用車
- 仙台〜東京間: 新幹線、ツアーバス、高速バス
以上のような状況になってきている。仙台経済圏内における仙台市と仙台都市圏外とを結ぶ路線では高速バスが圧倒的に優位に立っており、JRが優位に立っているのは、仙台〜石巻間(仙石線)のみとなっている。
高速バス
仙台との間に高速バス路線がある都市
- 東北運輸局管内の高速バス(路線、輸送実績など)
(★がついている路線は、プロ野球開催日にフルキャストスタジアム宮城まで延長運転。都市名の後の数字は平日の往復本数。"/"の後の数字は週末休日本数。数字に"×"がある路線は、共同運行ではない2社以上が参入。数字に"+"がある路線は、始発が異なるがある都市で合流する路線。上りと下りで本数が違う場合は、仙台行が"↑"、反対が↓。左右矢印は仙台行方向。斜体 は同一路線。内部リンクはその路線の項目)
- 青森県(青森6、弘前9、八戸4)
- 秋田県(秋田10、鹿角・大館3、横手4(大曲始発2+湯沢始発2))
- 岩手県(★盛岡15/20、花巻3、★江刺・水沢4、釜石・遠野2、一関24(一関始発20×大船渡・気仙沼4))
- 宮城県(気仙沼9(一関経由4+若柳金成IC経由3+南三陸経由2)、栗原市築館19(金成始発10×一迫始発5×栗駒始発2+築館始発2)、佐沼・若柳14、とよま5、鳴子・岩出山1、加美6、大和町吉岡6、古川37/29(★高速古川27/22×特急古川10/7)、女川1→石巻12、仙台空港↑37↓48、村田・蔵王・遠刈田温泉6)
- 山形県(山形78/72(山形始発72/66+上山始発6)、秋田県本荘3→酒田・鶴岡16、米沢6 (山形〜仙台空港8)
- 一般道特急バス (寒河江・天童6、新庄6→村山8)
- 福島県(★福島48、★須賀川6→郡山28、★会津若松8、★いわき5)
- 新潟県(新潟6)
- 群馬県(高崎・前橋1)
- 埼玉県(さいたま2、さいたま→東京1)
- 千葉県(柏・西船橋・千葉・成田空港1)
- 東京都(新宿・池袋7、石巻→仙台→新宿1、八重洲・浜松町6、品川・横浜1)
- ※東京・TDR方面には「ツアーバス」で数社が参入
- 長野県(長野・松本1)
- 石川県(金沢1)
- 愛知県(名古屋1)
- 近畿(大阪・京都1)
1999年3月に仙台 - 福島線、2000年3月15日に仙台 - 郡山線に近距離高速バスが開設されドル箱路線化した。2001年2月の規制緩和を受けて、2002年10月初旬に富士交通も安価な運賃(既存運行会社より約20%割安)・ハイグレードな車両・添乗員付きのきめ細かなサービスを謳って同2路線に参入した。さらに、2004年1月から始まった仙台市〜山形市間においても近距離高速バスの増便・運賃値下げ競争が始まった(仙台 - 山形線-1998年7月1日、笹谷トンネルの山形自動車道編入によって仙台 - 山形間の高速化完成)。その後も、仙台と接続する近距離都市間高速バスの増便と新規路線開発が続いている。
これらの高速バスは、通勤・通学客にとってJRよりも安価に利用できるという長所が最も大きいが、JRよりも運行頻度が多く乗り換えが要らないために便利であること、また、仙台側は仙台駅と一番町の2ヶ所程度の停留所に対し、出発側の都市では3-5ヶ所の停留所を設けているため、自宅から仙台市中心部までのトータルの時間がJR利用より短縮できることなどが利用者増に繋がっている。また、仙台経済圏に利便性の高い高速バス交通網が整備されたことにより、買い物客にも利用されるようになって、仙台経済圏拡大を招いた。
前項のそれぞれのルートの便数を見て分かるように、山形・福島・古川の各便は、土日休日よりも平日の便数の方が多く、通勤・通学の足としての利用が多いことを示しているが、一方で土日休日でも平日並みの便数があり、買い物客にも利用されている。仙台経済圏の外にあると見なされていた盛岡との間では、平日よりも休日の方の便数が多く(平日15往復、週末20往復)、買い物客の足として利用されていることが分かり、盛岡と仙台経済圏の関係の一面を示している。また、首都圏志向が強い郡山との間でも高速バスが好調であり、今後の仙台経済圏との関係が注目されている。
仙台との間で利用者の多い都市間高速バス路線 ※2005年度利用客概数[2]、頻度、時間、割引回数券片道分 ※「*」:東北新幹線(秋田新幹線)と競合する路線- 山形線 (130万人、78往復/日、50分、767円。定期券あり)(便数のみ上山始発含む)
- 福島線* (80万人、48往復/日、70分、650円)
- 古川線* (43万人、37往復/日、60分、750円)(便数のみ特急古川含む)
- 郡山線* (36万人、28往復/日、110分、1200円)
- 盛岡線* (25万人、20往復/日、155分、2500円)
- 庄内・本荘線 (計20万人、計16往復/日) 酒田発着(13万人、13往復/日、鶴岡駅前140分・2700円、酒田駅前185分・2900円) 本荘発着・庄内経由(7万人、3往復、255分、3800円)
- 一関線* (17万人、24往復/日、80分、1250円)(便数のみ大船渡始発含む)
- 秋田線* (15万人、10往復/日、200分、3600円)
仙台市 - 山形市間(特急バス仙台山形線)では平日70往復以上の運行があり、通勤・通学の足としても定着している(2005年度)。これにより、JR仙山線は、仙台駅 - 山形駅間全線を通しで乗る人が大幅に減少し、現在は仙台駅 - 愛子駅間の近郊列車化した。仙山線全線を走る電車の本数は1日18往復、快速65-76分(普通86分。以前は59分で走る快速もあった)、片道1110円。Wきっぷで750円。
仙台〜福島間の交通手段も、高速バスが発達する前は、(1)マイカー(2)新幹線(3)在来線(4)高速バス、という順番であったが、増便と運賃の値下げ競争によって、(1)高速バス(2)マイカー(3)新幹線(4)在来線、という順序に入れ替わった。
仙台駅 - 福島駅間(片道分)- 高速バス : 48往復、70分、650円(10枚回数券。2枚回数券で700円。通常900円)
- JR東北本線 : 16往復、快速72分(普通80-95分)、750円(Wきっぷ。通常1280円)
- JR東北新幹線 : 49往復、27分、2250円(新幹線Wきっぷ。通常3580円)
- 東北自動車道 : 50分、950円(「ETC通勤割引」適用時。通常1900円)
以上のように、高速バスによって仙台経済圏は拡大したが、一方で、仙台〜東京の間に格安の「ツアーバス」が参入し、着実に利用者数を増やしてきている。このバスは、仙台の「時間はあるけどお金がない」ような学生たちに人気になっている。
仙台〜東京間は、高速バスで5時間〜5時間半くらいで繋がれている。その料金は、「高速バス」(JRバス東北と東北急行バスの共同運行)の場合、片道:6,210円。「ツアーバス」の場合は、ビジネストラベルが運行する昼間の便が片道:3,800円(ネット割引:3,300円)、桜交通は片道:3,000円(特定日は2,800円、2,500円)となっている。つまり、路線バス形態の「高速バス」に比べ、「ツアーバス」では約半額で利用出来ることになる。なお、「ツアーバス」の中にも『高速バス』と表示し販売してるものもあるが、路線バス形態の正規の「高速バス」とは全く別物であり、適切な表示とは言えない。
さて、仙台〜東京間は、JRの普通列車で6〜7時間で移動出来るため、青春18きっぷの1回分の2,300円で移動出来る。しかし、青春18きっぷは、春休み・夏休み・冬休みのそれぞれ期間限定であること、5回分が一綴りになって11,500円で売っており、使い残しができてしまいがちであること、JRの普通列車を乗り継ぐより、高速バスの方が1時間以上早く目的地に着けること、などのために、3,000円程度で利用できるツアーバスが人気になっているのだと考えられる。結局、「毎日が青春18きっぷ」のような状況が仙台〜東京間に出来たことになり、気軽に東京に行く仙台の若者が増えてきていると考えられる。
また、福島〜郡山〜東京でもツアーバスが運行されており、昼行便で福島発2500円程度、郡山発2000円程度、夜行便で福島発3500円程度、郡山発3200円程度となっており、仙台経済圏の拡大の一方で、東京の影響力拡大も起こっている。
- 郡山〜東京(ツアーバス) : 4時間、片道2100円(最安値。昼行便)
- 郡山〜仙台(高速バス): 約2時間、片道1300円(6枚綴り回数券利用。定価は1900円)
一方、ツアーバスの台頭によって既存の高速バスは利用者が減少傾向にある。今までは生活路線の赤字を高速バスの収益で穴埋めし、生活路線を守ることができたが、高速バスの減収により生活路線の維持が困難になり、廃止される例が急増している。仙台都市圏の一般路線バスには今のところ大きな影響はないものの、ツアーバスの台頭により、東京〜仙台間のツアーバスとは直接関係ない生活路線が廃止される恐れがあり、実例としてJRバス東北の例がテレビ東京「ガイアの夜明け」で紹介された。また、ツアーバスは安全面での問題も指摘されている。これらの問題はツアーバス#利点・問題点などを参照。
「高速バス」と「ツアーバス」の違い仙台〜東京間において定期的に発着するバスには、「高速バス (都市間高速路線バス)」と「ツアーバス」がある。違いを以下に列挙する。
- 正規の「高速バス」は以下の路線が存在する。
- 仙台〜池袋〜新宿「政宗号(昼行便)・ドリーム政宗号(夜行便)」 : 昼間5往復/日、夜行2往復/日(夜行便1・夜行レディース便1) JRバス東北・東北急行バス
- 古川〜泉中央〜仙台〜東京駅「ドリームササニシキ号」 : 夜行1往復 JRバス東北
- 仙台〜東京駅〜浜松町「スイート号・ニュースター号(格安便)」 : 昼間3往復/日、夜行3往復/日(うち昼夜各1往復ずつは格安便ニュースター号) 東北急行バス
- 仙台〜品川〜横浜「ドリーム横浜・仙台号」 : 夜行1往復 京浜急行バス(運行は京急観光バス)・JRバス東北
- 石巻〜仙台〜新宿「広瀬ライナー号」 : 夜行1往復 京王電鉄バス・宮城交通
- 仙台〜さいたま新都心〜武蔵浦和〜蕨〜板橋「ミリオンライナー号」 : 夜行1往復 日本中央バス
- 「ツアーバス」には数社が参入している
- ビジネストラベル 仙台〜新宿(〜八重洲) : 昼間4往復/日、夜行1往復/日
- さくら観光 仙台〜新宿 : 昼間3往復/日
- サンシャインツアー・楽天バスサービス 仙台〜新宿 : 各社、夜行1往復/日ずつ
- Jエキスプレス 仙台〜福島〜郡山〜新宿〜TDR : 夜行のみ1往復/日
- オリオンツアー・トラベックスツアーズ 蔵王温泉〜山形〜長町〜仙台〜泉中央〜新宿〜東京駅〜TDR(〜成田空港) : 各社、夜行1往復/日ずつ
- その他数社が、週末のみの運行やお盆・年末年始・スキーシーズンなどの季節運行に参入している。
- 正規の「高速バス」は、公共交通機関の意味合いがあるので、公道上に常設の停留所を設置することができる。ただ、その公共性ゆえ、運賃改定には許認可が必要になり、運賃の弾力運用が出来ない。
- 「ツアーバス」は、パッケージ旅行商品の扱いなので、いくら「定期性」があったとしても常設の停留所 を公道上に設置できない(仙台駅東口の代ゼミ仙台校前が集合場所 となっていることが多い)。但し、旅行「商品」であることで、市場原理に従って価格(運賃)を自由に変更出来る。
- 「ツアーバス」はキャンセル料が発生する。正規の「高速バス」にも乗車券の払い戻し手数料はあるが、「ツアーバス」のキャンセル料のほうが高い。
- 「ツアーバス」には往復割引がない(往復割引やポイント制を設定する会社もある)。
- 正規の「高速バス」は3列シートの場合がほとんどだが、「ツアーバス」は4列シート。
- 正規の「高速バス」は、料金は高いもののサービスも良く、女性専用席があり、かつ、車内トイレや無料のお茶サーバー付きのバスが使われているが。「ツアーバス」は、車内トイレが付いていないが、料金は安い。
※国土交通省東北運輸局のプレス発表「東北地方における運輸の動き」(月例)では、正規の「高速バス」は統計が出される(中距離 東京便)。対抗馬になっている「ツアーバス」は、この統計には出てこない。因みに、仙台発着短距離便3系統は、2006年度からサンプル化され、月例報告されるようになった。
ETC通勤割引
仙台経済圏の高速道路網については「仙台都市圏」を参照ETC通勤割引(2005年1月11日6:00am〜)は、100km以内の通行に限り、朝・夕のラッシュの時間帯に約50%の割引が適用されるものであるが、このサービスの登場も、仙台経済圏拡大に寄与している。山形市や福島市などとの間では、首都高速を使うときと同様の感覚で高速道路が使えるようになった。
ETC通勤割引の適用要件が満たされているインターチェンジの内、仙台宮城ICを基点に100km以内で最遠のICまでの距離数・所要時間(月曜朝7時出発)・ETC通勤割引時の料金は以下のようになっている。
※E-NEXCOドライブプラザによる数値。主要都市についても付記 ※メッシュは100km以内で最遠のICか高速道路の端点 ※宮城県内は全て100km以内だが、東北道と山形道のみETC通勤割引に対応 ※仙台都市圏内の東北自動車道の泉IC〜泉PA〜仙台宮城IC〜仙台南IC〜村田IC〜蔵王PAの区間は、交通量が多い上に、カーブが多くて高低差もあるので、事故多発地帯となっている。そのため、通常時の制限速度が80km/hになっている。仙台市(仙台宮城IC)までの値
| 県 | 高速道路 | 出発都市 | 出発IC | 距離 | 時間 | ETC |
| 岩手県 | 東北道 | 平泉町 | 平泉前沢IC | 99.4km | 64分 | 1400円 |
| 一関市 | 一関IC | 87.9km | 55分 | 1250円 | ||
| 宮城県 | 栗原市 | 築館IC | 58.8km | 38分 | 850円 | |
| 大崎市 | 古川IC | 42.7km | 28分 | 650円 | ||
| 仙台宮城IC | ||||||
| 白石市 | 白石IC | 32.9km | 25分 | 500円 | ||
| 福島県 | 福島市 | 福島飯坂IC | 67.5km | 46分 | 950円 | |
| 二本松市 | 二本松IC | 96.4km | 63分 | 1350円 | ||
| 山形県 | 山形道 | 山形市 | 山形蔵王IC | 53.5km | 41分 | 800円 |
| 西川町 | 西川IC | 84.9km | 67分 | 1200円 | ||
| 東中道 | 東根市 | 東根IC | 76.0km | 59分 | 1100円 | |
| 上山市 | 山形上山IC | 79.9km | 63分 | 1150円 | ||
(参考) 首都高速:東京駅(Y・八重洲乗客降り口)までの値
| 出発都市 | 出発IC | 距離 | 朝7時出発 | 深夜0時出発 | ||
| 時間 | ETC | 時間 | ETC | |||
| さいたま市 | 浦和南IC (S5) | 26km | 63分 | 970円 | 26分 | 870円 |
| 横浜市 | 横浜公園IC (K1) | 38km | 47分 | 1260円 | 38分 | 1100円 |
仙台経済圏の拡大の背景
仙台経済圏の成立については『東北地方の経済史』を参照仙台郊外の幹線道路(国道4号仙台バイパスなど)沿いに郊外型大規模店等の出店が相次ぎ、地域の渋滞などの問題が発生するとともに、中心商業地(青葉区)に与える影響が懸念されていたが、中心商業地である一番町および仙台駅周辺では再開発が進むとともに、一番町の藤崎デパート周辺にブランドショップ街の形成が始まっており、活気が戻ってきている。これは、他の東北地方の都市においてデパートの閉店が相次いだこと、都市間移動の主役が、低料金の高速バスに取って代わったことなどにより、週末を中心に主に山形県や福島県からの買物客がどっと押し寄せるようになったためである。
仙台中心部の買い物客の内、山形市民は平日に 仙台市民の二倍近い額を消費し、福島市民は休日に 仙台市民の二倍近い額を消費するとの調査結果がある。県外客は、ぶらんどーむ一番町、仙台駅西口前で集中して消費行動をしている。 東北地方の主な都市圏・人口・百貨店数(2000年)| 順位 | 都市圏 | 人口 | 百貨店 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 仙台都市圏 | 1,556,293 人 | 3店 |
| 2位 | 郡山都市圏 | 537,727 人 | 1店 |
| 3位 | 山形都市圏 | 475,692 人 | 2店 |
| 4位 | 盛岡都市圏 | 475,621 人 | 2店 |
| 5位 | 秋田都市圏 | 452,397 人 | 2店 |
| 6位 | 福島都市圏 | 412,360 人 | 1店 |
| 7位 | いわき都市圏 | 365,951 人 | 0店 |
| 順位 | 都市圏 | 人口 | 百貨店 |
|---|---|---|---|
| 8位 | 青森都市圏 | 340,750 人 | 2店 |
| 9位 | 八戸都市圏 | 332,426 人 | 1店 |
| 10位 | 弘前都市圏 | 326,193 人 | 2店 |
| 11位 | 北上都市圏 | 220,486 人 | 1店 |
| 12位 | 石巻都市圏 | 207,562 人 | 1店 |
| 13位 | 会津若松都市圏 | 188,686 人 | 1店 |
(参考)東京から東北地方諸都市までの距離の対応表 (第一国土軸と第二国土軸との対応)
|
|
|
また、近年、南東北の住民の高額消費財の購買地は、「東京」、「海外旅行時の免税店」、および「仙台」 に集約してきていたが、原油高やテロの影響による海外旅行のコストアップ、仙台空港の国際線の減少(「免税天国」のホノルル便や香港便の消滅)などにより、「海外旅行時の免税店」の地位が下がり、仙台にアクセスする低料金高速バスの出現によって「東京」の地位が下がり、結局、出費が最もが少なく高額な物を買える仙台の中心商業地が、ある面で都市間競争に勝って、相対的に地位を向上して来た。しかし、仙台の地元商店は中心商店街からどんどん撤退し、海外や東京資本の店に取って代わられている。
このような背景により、仙台都市圏の小売商圏は拡大傾向にあり、山形県村山地方、福島県中通り北部、浜通り北部が 「仙台経済圏」 に組み込まれた。また、東北楽天ゴールデンイーグルスが仙台への集客マグネットとして作用しており、東北地方における仙台のプレゼンスを向上させた。
- 仙台行きの高速バスの内、盛岡発・江刺発・古川発・福島発・郡山発・いわき発・会津若松発のものは、プロ野球開催期間中、フルキャストスタジアム宮城まで延長運転している。
ただ、最近、沖縄県那覇市に、国内初の日本人向け免税店が出来たことにより、南東北の住民の高額消費財購買地として沖縄が台頭してきた。仙台〜那覇便は、現在、ANAによる1日1便だけだが、この流れを受けたのか、それとも昨今の沖縄ブームのためなのか、この路線にJALが季節運行で参入することになり、今後の仙台中心部商業地にどの程度の影響があるのか考察が必要になってきている。また、前述の高速バスの項目にあるように、格安の「ツアーバス」が仙台〜東京間に参入したことにより、若者層における東京のプレゼンスが高くなっていくことも考えられ、沖縄の免税店と同様に考察が必要である。
札幌・仙台・広島の各経済圏の比較
仙台経済圏と規模が似た経済圏には、札幌市を中心とした札幌経済圏(道央圏→札幌都市圏)、広島市を中心とした広島経済圏(広島広域都市圏→広島都市圏)がある。これらの経済圏は、それぞれ性格が異なり、一口に人口のみでの比較はできないが、このタイプの大都市圏行政では、「その経済圏に入っている」 という帰属意識が参加の必要条件になるので、それぞれの中心都市の求心力を示していると考えられる。
| 自治体 | 10%都市圏 | 1.5%都市圏 | 経済圏 | 2時間圏 | 地方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 188万人 | 札幌 231万人 | 札幌 256万人 | 札幌 340万人 | 仙台 480万人 | 仙台 963万人 |
| 広島 116万人 | 広島 158万人 | 仙台 219万人 | 仙台 334万人 | 広島 400万人 | 広島 768万人 |
| 仙台 103万人 | 仙台 156万人 | 広島 205万人 | 広島 234万人 | 札幌 370万人 | 札幌 563万人 |
- 仙台経済圏:人口334万人、11,234km、半径 80km圏
- 札幌経済圏:人口340万人、22,913km、半径 80-100km超圏
- 広島経済圏:人口234万人、 6,301km、半径 60km圏
- 2時間圏:国土交通省中国地方整備局広島都市圏みちづくり懇話会 資料より
これらを比較してみると、広島経済圏は、海岸線や谷あいなどの狭い土地に密集して人が住んでいるため、そこに鉄道や高速を通して「効率的」経済圏を形成しており、人口統計以上に広島の集客力を高めている。しかし、広島は、札幌や仙台と比べて背景人口の少なさは否めない。一方、仙台や札幌の経済圏は人口は多いが広島ほどの効率性がない。また、広島市から100km圏内には福山・尾道圏(備後都市圏)や周南圏などがあるが、近接する岡山都市圏や北九州都市圏と競合してしまって広島経済圏内に充分に入っていないため、競合する都市圏が周りに無い仙台や札幌と比べると、経済圏が狭く、集客力も頭打ちになる。また、中国・四国地方は、全体として大阪圏や福岡経済圏の影響下に入りつつあり、分断傾向が強いため、広島経済圏の拡大は簡単ではない。
イベント集客力
東北地方は、全ての県に新幹線(東北・秋田・山形)が通っている唯一の地方となっており、結果、交通の利便性が高い盛岡・仙台・郡山の3都市が拠点化してきた(※仙台は、東京と青森市のちょうど中間に位置している)。そのため、コンサートツアーにおいて「盛岡1day・仙台2days・郡山1day」型の開催が頻繁にされるようになった。この型のツアー開催をする歌手は、中国地方においては 「岡山1day・広島1day・米子1day(+山口県内1day)」 型のツアーを開いており、2daysを開催できる仙台の拠点性の高さと仙台経済圏の人口の多さを示している。
ただし、仙台経済圏は「動線が長く」「人口密度が低い」ため、この型の開催方法では、イベント自体の集客能力の有無で、実際の集客数にかなりの差を招く。他方、札幌経済圏は、仙台経済圏と比べて動線が短く、DIDが広いため、安定的に集客力がある。つまり、アーティストやイベントの認知度・人気に従って、無名(札幌○、仙台×、広島△)、中程度有名(札幌◎、仙台○、広島○)、有名(札幌◎、仙台◎、広島○)という集客力になり、仙台は、ガラ空きか超満員かという両極端な現象を生む。
近年、ライブハウスツアーをするアーティストが増加しているが、その場合は、仙台・郡山の2都市、もしくは仙台のみとなることが多い。また、大規模舞台セットを組むアーティストの場合は、仙台のみとなることが多い。これらの場合、仙台に東北地方全域からファンが集まるので、札幌(北海道560万人)・仙台(東北地方970万人)・広島(中国地方770万人)の中で地方全体の人口が最も多い仙台が、最も集客力があり、最も盛り上がると言われる。
盛岡<90km>一関<90km>仙台<80km>福島<50km>郡山<230km>東京 北九州<120km>周南<85km>広島<100km>福山<60km>岡山<180km>大阪
- 仙台〜宇都宮:250km (広島〜福岡:260km)
- 仙台〜東京:360km (広島〜大阪:330km)
- 仙台〜新潟:最短220km、高速265km (広島〜米子:最短180km、高速270km)
経済圏のマスメディア
三大都市圏は、都府県の境を越えた放送局や新聞社などを持っており、札幌は北海道全域に放送をし、広島や福岡は県境を越えて飛ぶ電波のおかげで、経済圏全体をカバーしている。他方、仙台経済圏は宮城県・山形県・福島県・岩手県に広がっているが、圏域全体をカバーする統一的マスメディアに乏しく、仙台の放送が経済圏全体をカバーできていない(ただし、東北6県ブロックネットは発達している)。バブル景気以降の全国「民放テレビ4局化」によって隣接県が次々4局化し、宮城県からの越境電波受信のためにアンテナを高くしたり、ケーブルテレビに加入したりする世帯は減少した(→TBC・OXなど参照)。そのため、提供企業のCMが届く範囲も縮小し、在仙局のローカル番組も減少した。結果的に、商圏が県境を越えている仙台市都心部のデパートや仙台フォーラスなどのファッションビルでは、セールの時など、宮城県の他に、隣接県の放送にも別口でCMを出さざるを得ず、ビジネスサイズの割にコスト高となっている。
県境を越えるメディアは、東北6県で販売をしているブロック紙の河北新報や、宮城・山形・福島・岩手の4県で販売をしているプレスアートの出版する数々の雑誌など、紙メディアが主体となる(→仙台都市圏参照)。このため、広告対象が仙台都市圏や宮城県なのか、仙台経済圏全体なのかで、広告戦略が異なる。
しかし、統一的マスメディアに乏しい点は、見方を変えれば多様なメディアが存在することになり、仙台経済圏に含まれながらも、それぞれの地域独自の情報が得られ、関西の大阪・神戸・京都のように、仙台・山形・福島は「三都」の形式を維持している。(以下、NHKを含む放送局の数を示す。仙台と広島の経済圏にはテレビ東京系列局はない)
- 仙台経済圏
- テレビ局 13 (仙台市5、山形市5、福島市3)
- FM局 5 (仙台市2、山形市2、福島市1)
- cFM局 9 (仙台都市圏5、石巻市1、山形市2、福島市1)
- ※南東北3県において、仙台経済圏の外にある放送局は、福島県郡山都市圏に県域放送の民放テレビ局が2局、県域放送の民放FM局が1局、cFMが1局立地している。その他、cFM放送局の立地は、酒田市1、いわき市1、会津若松市1、喜多方市1。
- 札幌経済圏
- テレビ局 6 (札幌市6)
- FM局 3 (札幌市3)
- cFM局 11 (札幌市7、北広島市1、小樽市1、岩見沢市1、滝川市1)
- 広島経済圏
- テレビ局 5
- FM局 2
- cFM局 2
脚注
関連項目
- 東北地方の経済史
- 仙台市
- 仙台都市圏
- 七大都市圏
- 宮城県
- 南東北
- 東北地方
外部リンク
- 地域ポータルサイト【周遊 蔵王・あぶくま・仙台】運営協議会(ZAS運営協議会)
- 第3回全国幹線旅客純流動調査
- 山形・仙台の交流連携情報のページ(山形県村山総合支庁)
仙台経済圏の書籍検索結果
|
仙台都市圏交通計画策定調査報告書 (1978年) (運輸経済研究資料〈520381〉) 能代山本モデル定住圏における工業開発による地域経済の振興に関する調査報告書 (1982年) 大崎・栗原モデル定住圏における工業開発による地域経済の振興に関する調査報告書 (1984年) |
|
