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クレーム
クレーム(英:Claim )とは、原義では単に「要求」やその要求の正当性を主張することである(例:en:baggage claim)。苦情(くじょう)を指すが、他の意味では契約違反における損害賠償に関しても同語が用いられる。日本語に於ける和製英語としてのクレームでは、しばしばごり押しによる不当な強迫行為と混同されるケースも見られる。
目次
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概要
本来のクレームでは、自身の被った損害を説明して、その損害に対して責任のある相手に、損害の補償を要求する事が挙げられる。例としては機能上で不備のある商品を購入してしまった際に、その製品を製造・販売しているメーカーに不良品を正常な製品と交換してもらうために交渉する行為などが挙げられる。企業間では、契約に違反した際の損害賠償請求を含む。
自身の被った損害に対する対応をしてもらうためにクレームをすることはしばしばあるが、度が過ぎたクレームをつける人が注目されていることもあり、ちょっとしたクレームであっても、企業側からは悪く見られることもある。
クレーマーの台頭
クレームをつける消費者をクレーマーと呼ぶ。日本では度が過ぎたクレームをつける消費者を「クレーマー」と呼ぶこともある。クレーマーは、2000年代後半頃に徐々に注目を浴びるようになった。背景には、以下の要因が指摘されている。
- クレーム手段の獲得[1]
- 意識の問題[1]
なお、クレーマー問題に対しては苦情を述べる側がクローズアップされ、それらのケースでも事件に発展するなど深刻化している場合では報道においてもえてして企業側に同情的な内容に落ち着きがちである。その一方、インターネット上のサービスの発達は、企業側の従業員(パートやアルバイトなど末端の接客担当者を含む)が常軌を逸した客を揶揄する形での言説を広めてしまうケースも見られる。これはことクレーム問題だけに限定されない傾向ではあるが、2000年代に入ってはブログなどで不用意に書き込まれた内容から炎上したケースもみられる。
日本
日本では、前記のとおり不当な請求をしてくる顧客という位置付けもあるため、しばしば一種の蔑称と目される。また、ストレス解消のために趣味として恒常的にクレームをする顧客も存在している。コンプライアンス遵守の風潮も幸いしてか、特にこれを常習的に行う好訴訟的な常習的クレーマーの存在も指摘されており、一部企業ではそのような顧客に対する専門対策班を設ける所も見られ、これらの対策班では法的な妥当性も含めて、対処を検討するとされる。
なお、常軌を逸したクレームは威力業務妨害罪や恐喝罪に問われる可能性がある。
クレーム問題
同語が日本国内に於いて広く一般に知られたのは、1999年に発生した東芝クレーマー事件である。同事件では報道を見た一般の視聴者に「要求者=クレーマー」ではなく、「理不尽な要求をも辞さない請求者」であると認識させてしまった。なお「クレーマー=理不尽な請求者」という認識は、東芝側の通常対応不能な総会屋などを主に担当する「渉外監理室(警察OBなどからなる)」という部署の担当者による発言の中にみられ、同担当者の認識がそのような形であったとみられている。これに関しては報道側の取り上げ方にも問題があったと思われるが、この録音の一部がテレビでも放送され、視聴者が威圧的な態度の東芝担当者側の横柄な態度が感じられる声に反発、同社への非難や不買運動に走った点も問題視されている。また同事件では、関係者らの応酬で常識から逸脱した対応が行われたとする報道も見られ、今日でも「ごね得(しつこく要求を繰り返せば、少々の無茶も通る・大企業をも屈服させられる)」といった認識を世間に与えてしまった感も否めない。同事件報道以降、暫くは消費者による「インターネット上のウェブサイトで企業を告発する」という活動が目立つようになり、この中には多額の金銭を要求するものや関係者を論う(消費者側の不利な情報は伏せて、企業側の欠点を並べ立てるなど)ケースも発生、逆に名誉毀損で訴えられたサイト設置者も見られた。
しかしその一方で、一見不当と思われる請求にも、よくよく話を聞けば、少なくとも請求者自身はもとより、企業側でも妥当だと考える妥協点が存在すると共に、それらの人々が発見し、また一般にはまだ表面化していない製品の問題点に関する情報が含まれるとみなされるようになってきている。一概にクレーマー(不当な請求者)であると無下に扱わず、責任の取れる担当者がきちんと対応することで、消費者の視点ではかろうじて問題提起できるが、メーカー側には全く見えていなかったビジネスチャンスが発見できると考える人もある[2]。
往々にして人は不利益を被ると、感情的になりやすい。このため企業のサポート側では感情的な電話が掛かる率が非常に高いと言える。その一方で本当に不当な請求をしてくる人も含まれる。この場合、無条件に相手の提示した案に応じると他の顧客が不当に差別されている状態を作り出してしまう。そのため、クレーマーを有効的に活用するためには関係部署にクレーマーの話に耳を傾けて公正な判断を下し、その判断を他の部署と折衝して適切に推し進められる人を配する必要がある[3]。
そのような理由により企業の顧客相談窓口の部署では、適切な人員の選択に注意を払うと共に、一定の企業内に於ける発言権が確保されている。
クレーマー関連の問題事例
クレーマーが常習化することで、関係者が事件を起こしたケースがある。また不当な請求という問題も多方面で発生している。
こういった不当要求は何も今に始まったことではなく、暴力団が組織的に企業を狙い撃ちして商品に因縁をつけて金品を脅し取るということは昔から存在していた。また、食堂において、意図的に自分の髪の毛をラーメンや蕎麦に入れて、「髪の毛が入っている、タダにしろ」というような、食事代をタダにするような不当要求も以前から存在していた。しかし、クレーマーが一般化し、悪質化している現状はここ最近とみによく見られる。中には暴力団の名前を出して不当要求を行ったり、たとえ業者側に落ち度や瑕疵が無くても、お詫びの品やサービス目当てにクレームをつける所謂「プロクレーマー」もいる(尚、指定暴力団の不当要求は暴対法により禁止、処罰の対象になる)
2004年9月に因縁を付けてきた客に対しストレスを感じていた牛丼チェーン店の店長が、日常的にクレームを行っていた客を刺殺するという事件が発生している。同事件では弁当注文の際に「水を出されなかったこと」や「弁当が横になっていた」として被害者が前日より十数回立て続けに電話で苦情を述べ、他にも別のクレームで8月末頃より同店長を度々自宅へ呼び付け謝罪を要求するなど、トラブルが続いていた。このトラブルで頻繁にクレームをつける被害者に腹を立てた加害者が、刃物で十数か所を刺して殺害している。後日加害者店長は殺人容疑で逮捕・起訴され懲役10年が確定している。
2007年には、広島県に住む男が全国34都道府県の企業にクレームをつけ、お詫び品や見舞金の提供金品を「詐取」した容疑で逮捕されている(男は「企業が善意で渡した品を貰って何で罪になるんだ」と容疑を否認)
教育の場では、一部の保護者が学校に対し理不尽な要求をするケースも見られる。例えば、
- 「我が子を運動会で1等に」
- 「期末テストの答を教えてくれ」
- 「クラス替えで○○(児童、生徒の名前)と一緒のクラスにしないでくれ」
- 無茶な要求に応じない担任教師に暴行を働いたり嫌がらせの電話などをする
などがみられる。
2007年6月には東京都港区教育委員会では、区立小学校の校長に対し、こういった保護者の理不尽な要求には専門の弁護士に相談できる体制(「学校法律相談」制度)をとるとしている。学校教育では各々の児童・生徒を公正に扱うことが求められるが、保護者が自身の子供に対して有利になるよう、学校側に無理な働き掛けを行うケースが増加傾向にあることが伺われる。なお同件に関しては、給食費問題など金銭トラブルや、周辺住民よりの「学校からの騒音が酷い」などの苦情に対して、また生徒や児童が巻き込まれた親権問題など家庭内の事情にも、弁護士が調停に参加するとしている。ただ、保護者の無茶苦茶な要求に対し学校(教育委員会)側が弁護士や元警察官などの強硬な対抗手段をとると保護者と教育機関との間に壁ができ、双方の信頼関係よりも敵対関係が一層増すのではないかという危惧もある。(詳細はモンスターペアレントの項を参照)
関連項目
- 製造物責任法
- 接遇
- サイレントクレーマー
- モンスターペアレント
- モンスターペイシェント
- ノイジーマイノリティ
- ISO 10002
脚注
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